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1日平均10時間の勤務をこなし、さらに仕事を持ち帰る。高校教員は本当に忙しい。この忙しさの背景や意味をどう考えればいいのか、こうした勤務状況を改善しつつ教育を充実させていくには何が必要なのか。長年にわたって学校経営を研究している龍谷大学教授の小島弘道先生に話を伺った。
生活指導や学力向上への対応が
忙しさの大きな要因
――文部科学省が行った教員の勤務実態調査では、高校教員の1日の労働時間は残業を含めて10時間、それ以外に持ち帰りの仕事が30分近くあります。この実態調査の結果をどのように見ていますか。
小島 私は高校の先生方とも、いろいろお話しする機会があるのですが、学校現場では、調査結果として出てきたような勤務実態は常識になっていると思います。取り立てて目新しい内容ではなく、実態をそのまま反映したものといえるでしょうね。
――このような勤務実態の背景として、どのようなことが考えられますか。
小島 生徒指導の問題が非常に大きいと思います。いま、不登校、学校不適応、学業不振、中途退学など学業や生活上の問題が高校全体に広がっているので、先生方はこうした問題への対応に相当多くの時間をかけているのです。
一方で、学力問題が指摘されるようになりました。公立校と私立校が比較されたり、公立の学校間でも、もう少しメリハリのある教育をするように求める声が、保護者や社会から出てくるようになったりしました。放課後や土曜日に補習などを行って学力向上を図るべきだということさえ、いわれるようになっています。学力というのは社会的にいちばん目につくところですし、生徒や保護者にとってもいちばんの関心事ですから、そこに力を入れなければならない。これも忙しさを生む大きな要因の一つだと思います。
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小島弘道(おじま ひろみち) 1943年生まれ。東京教育大学教育学部卒業。同大学院博士課程教育学研究科修了。神戸大学、奈良教育大学、東京教育大学、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授を経て2008年4月から現職。この間、モスクワ大学で在外研究。日本教育経営学会・理事(前会長)、日本教師教育学会・常任理事。主な著書に『21世紀の学校経営をデザインする 上下』(教育開発研究所)『教務主任の職務とリーダーシップ』(東洋館出版社)『第3版 教師の条件』(学文社)『時代の転換と学校経営改革』(学文社)などがある。
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