Part.3 愛知県の対応

2007-05-28UP

明確な基準を設けAO入試を導入


愛知県専修学校各種学校連合会
青木誠 事務局長

シリーズ6 〜 シリーズ3

『リメディアル教育の現場』

Part.1
リメディアル教育の背景と現状
学力不足を補うリメディアル教育が拡大

Part.2
大学の取り組みを探る

Part.2−@
専用組織(学習支援センター)を設けて学生に対応している例【明星大学】

Part.2−A
通常の授業でリメディアル教育を実施している例【関東学院大学】

Part.2−B
入学前教育(通学学習型)として実施している例【聖学院大学】

Part.2−C
入学前教育(自宅学習型)として実施している例【東京電機大学】

Part.3
リメディアル教育のこれから
新たな高大連携で基礎学力の定着を


『忙しい先生の業務効率化と円滑な学校運営』

Part.1
文部科学省「教員勤務実態調査」を読む

Part.1 vol.1
高校教員の労働時間は1日10時間強

Part.1 vol.2
自由もゆとりもない先生たち

Part.2
学校教員の負担を考える

Part.2 vol.1
「忙しい」が教員の心とからだを蝕む

Part.2 vol.2
生徒と向き合えない教育現場

Part.3
行政の対応を探る

Part.3 vol.1
教員の事務負担軽減を提言に盛り込む

Part.3 vol.2
教員の勤務負担軽減めざす事業を開始

Part.4
教職に意欲と誇りを持てる環境づくりを


『専門学校とAO入試』

Part.1
AO入試の現況と専門学校

Part.2
アドミッション・ポリシーが明確な専門学校版AO入試

Part.3
明確な基準を設けAO入試を導入

Part.4
基準づくりの議論が必要に

Part.5
専門学校版AO入試の具体例

Part.5 vol.1
独自色を生かした「AO入学制度」

Part.5 vol.2
高校から信頼されるAO入試をめざす

Part.6
高校と専門学校の連絡を密にすることが重要

Part.7
情報交換の場をつくることが必要

Part.8
AO入試のアンケートと研究会を実施


『高校における「奉仕」活動のあり方』

Part.1
東京都立高校の「奉仕」必修化への取り組み 2007年度からすべての都立高校で「奉仕」を必修化

Part.2
東京都教育委員会インタビュー
社会貢献の精神や方法を学べるように全国で初めて「奉仕」を必修化

Part.3
奉仕体験活動の先行事例を見る

Part.3 vol.1
商業高校の特色を生かし地域に貢献する「まちおこし体験活動」を計画

Part.3 vol.2
2年生全員が参加する社会体験活動で進路選択や学習の姿勢が変化

Part.3 vol.3

「奉仕」のための組織づくりを進め生徒は自主的に活動に取り組む

Part.3 vol.4
福祉や国際ボランティアなどを2週間の総合的な学習の時間に体験

Part.4
文部科学省インタビュー

奉仕体験活動の位置づけ明確化などで各学校の取り組みを支援
Part.4 vol.1

Part.4 vol.2

Part.5
日本ボランティア学習協会インタビュー

ボランティア活動の教育力を活用して新たな教育の展開を
Part.5 vol.1

Part.5 vol.2

Part.5 vol.3

 愛知県専修学校各種学校連合会(愛専各)は、2008年度入試から専門学校でAO入試を実施する方針を固めた。高校側にも高進研等進路関係団体に実施説明をすでに行っており、6月1日から正式にスタートする。AO入試実施に至る経緯や実施方法の概要などについて、愛専各の青木誠事務局長に話をうかがった。

統一した枠組みを設けて
6月からAO入試を開始


 愛知県専修学校各種学校連合会(愛専各)は、2008年度入試から専門学校にAO入試を導入する計画だ。すでに会員校には文書で通達済みで、6月1日からスタートする。

 愛専各ではこれまで、専門学校のAO入試を禁止していた。それが一転してAO入試導入に踏み切ることになった経緯について、愛専各の青木事務局長は次のように説明する。

「昨年、会員校のうち4校ほどAO入試を独自に実施したところがありました。全国各地に学校を設置しているところだったのですが、他地域でAO入試を実施しているのに愛知県だけ実施しないというのは不都合だったのでしょう。愛専各としては禁止していたので、それらの学校には注意をしました。

 ただ、ほかの会員校でもAO入試を実施したいというところがたくさん出てきていました。それで検討した結果、愛専各として統一した枠組みをつくって、きちんとしたかたちで実施しようということになったのです」


志願者減少傾向のなかで
AO入試を求める声が


 会員校がAO入試を望むようになった背景の1つに、学生募集を巡って大学との競合が目立つようになったことがある。

「愛知県における2006年度新規高卒者の進学率は専門学校14.4%(全国平均18.4%)、大学48.0%(全国平均42.0%)と全国的にも大学への進学率が高い地域になっている。2007年度入試でも、高校生が4年制大学に流れる傾向があり、専門学校は全体的に志願者が減っています。学ぶ内容が大学と競合しやすい分野は厳しかったようです。とくに工業系の大学などは専門学校化が進んでいます。専門学校の特徴だった実践的な学科を大学でも次々に設置するようになっていますからね」

 そういう状況のなかで、大学はAO入試を実施するところがますます増えている。専門学校としても、座してそれを見ているだけでなくAO入試を本格的に実施したいと考えるのは当然の帰結かもしれない。


内定後は課題提出を課すなど
高校側の懸念に配慮


 愛専各で示しているAO入試の実施概要は次のようなものだ。

 ・登録開始(エントリー等)は6月1日以降。
 ・内定通知を出すのは8月1日以降。
 ・願書受付開始は10月1日以降。

 上記の各段階でどのようなことを行うのかなどについては、明確な運用基準をまとめているという。さらに、高校生が自分の判断だけで登録することを防いだり、内定後に学習面のフォローをするしくみも設けている。

「登録書類には、担任の先生か保護者の確認署名を求めるようにしています。それによって、高校生が勝手に登録して先生や保護者は知らなかったというような事態を防ぎたいと思います。それから、内定後の対応も重要です。とくに高校の先生方は、早い時期に内定して学習に身が入らなくなることを心配されていますから、内定者に対しては各専門学校が継続的に課題を課すことにしています」


校長会などで事前に説明し
理解を得る


 愛専各では、AO入試の導入について、高校側に趣旨や実施方法などを説明した経緯を次のように話す。

「県の公立高等学校長会進学指導部会や高等学校進路指導研究会には、事前に説明にうかがいました。先生方の反応としては『いいこととはいえないけれど、時代の流れもあるので仕方ないでしょうね』といった感じでしたが、おおむねご理解をいただけました」

 愛専各は、初年度からAO入試を軌道に乗せるべく、各高校および高校生に周知を図っていく計画だ。


■社団法人 愛知専修学校各種学校連合会
http://www.askr.or.jp/