Part.8 都高進専門学校研究会

2008-02-12UP

AO入試のアンケートと研究会を実施


編集部

『リメディアル教育の現場』

Part.1
リメディアル教育の背景と現状
学力不足を補うリメディアル教育が拡大

Part.2
大学の取り組みを探る

Part.2−@
専用組織(学習支援センター)を設けて学生に対応している例【明星大学】

Part.2−A
通常の授業でリメディアル教育を実施している例【関東学院大学】

Part.2−B
入学前教育(通学学習型)として実施している例【聖学院大学】

Part.2−C
入学前教育(自宅学習型)として実施している例【東京電機大学】

Part.3
リメディアル教育のこれから
新たな高大連携で基礎学力の定着を


『忙しい先生の業務効率化と円滑な学校運営』

Part.1
文部科学省「教員勤務実態調査」を読む

Part.1 vol.1
高校教員の労働時間は1日10時間強

Part.1 vol.2
自由もゆとりもない先生たち

Part.2
学校教員の負担を考える

Part.2 vol.1
「忙しい」が教員の心とからだを蝕む

Part.2 vol.2
生徒と向き合えない教育現場

Part.3
行政の対応を探る

Part.3 vol.1
教員の事務負担軽減を提言に盛り込む

Part.3 vol.2
教員の勤務負担軽減めざす事業を開始

Part.4
教職に意欲と誇りを持てる環境づくりを


『専門学校とAO入試』

Part.1
AO入試の現況と専門学校

Part.2
アドミッション・ポリシーが明確な専門学校版AO入試

Part.3
明確な基準を設けAO入試を導入

Part.4
基準づくりの議論が必要に

Part.5
専門学校版AO入試の具体例

Part.5 vol.1
独自色を生かした「AO入学制度」

Part.5 vol.2
高校から信頼されるAO入試をめざす

Part.6
高校と専門学校の連絡を密にすることが重要

Part.7
情報交換の場をつくることが必要

Part.8
AO入試のアンケートと研究会を実施


『高校における「奉仕」活動のあり方』

Part.1
東京都立高校の「奉仕」必修化への取り組み 2007年度からすべての都立高校で「奉仕」を必修化

Part.2
東京都教育委員会インタビュー
社会貢献の精神や方法を学べるように全国で初めて「奉仕」を必修化

Part.3
奉仕体験活動の先行事例を見る

Part.3 vol.1
商業高校の特色を生かし地域に貢献する「まちおこし体験活動」を計画

Part.3 vol.2
2年生全員が参加する社会体験活動で進路選択や学習の姿勢が変化

Part.3 vol.3

「奉仕」のための組織づくりを進め生徒は自主的に活動に取り組む

Part.3 vol.4
福祉や国際ボランティアなどを2週間の総合的な学習の時間に体験

Part.4
文部科学省インタビュー

奉仕体験活動の位置づけ明確化などで各学校の取り組みを支援
Part.4 vol.1

Part.4 vol.2

Part.5
日本ボランティア学習協会インタビュー

ボランティア活動の教育力を活用して新たな教育の展開を
Part.5 vol.1

Part.5 vol.2

Part.5 vol.3

 東京都高等学校進路指導協議会(都高進)は、東京都における専門学校版AO入試の本格実施を受けて昨秋、高校を対象としたアンケート調査を実施。その結果をまとめるとともに、2007年12月に第36回都高進専門学校研究会を開催した。当シリーズの最終回として、アンケートの内容と研究会の概要をレポートする。

専門学校版AO入試について
都高進がアンケートを実施


 東京都専修学校各種学校協会(東専各)が専門学校版AO入試の導入を決定し、会員校に通達したのは2006年12月25日付のこと。しかし、都内の高校では専門学校版AO入試導入があまり浸透せず、AO入試がスタートするころになっても、高校がその事実を知らないケースもあった。

 都高進や多摩地区高等学校進路指導協議会(多摩高進)では、早い時期から専門学校版AO入試に注目していたが、高校全体への周知が進んでいないことや、初年度のためAO入試の実施状況がわかりにくいことなどもあって、組織的な対応はしていなかった。

 とはいえ、専門学校版AO入試は現実に動き出しているので、高校としても対応していく必要がある。そこで、都高進は2007年秋、高校向けに「専門学校のAO入試実施に関するアンケート」を実施した。質問の内容は次のようなものだ(アンケート用紙そのものの表記とは異なる)。
 
1)本年度、東京都の専門学校がAO入試を導入することをいつ知りましたか。
  ・知った時期
  ・知ったきっかけ
  ・指導を行ったか

2)今年、勤務校で専門学校のAO入試を受験した生徒がいましたか。いた場合、何人ですか。

3)問題があると感じたAO入試がありましたら、問題点をお書きください。

4)専門学校のAO入試は生徒にとって望ましい入試形態と考えますか。

5)大学・短大・専門学校とも推薦、AOなどでの選考時期がいっそう早期化しています。このような早期化が高校の教育現場にどのような影響を与えているでしょうか。また、その改善のためにはどのようなことが望まれますか。


周知に時間がかかった
AO入試導入


 アンケートの回答数は105校で、都立高校が54校、私立高校が51校だった。

 アンケートのうち、AO入試を知った時期についてみると、3月以前が33校、新学期早々が24校、5月が14校、夏季休業前が12校、9月が6校、今まで(アンケート実施まで)知らずが16校となっている。

 東専各では、2007年2月19日付で「『専門学校版AO入試』導入と学生募集時期に関する確認事項の変更についてのお願い」と題した文書を、都内各高校の校長、進路指導主任、第1・2・3学年主任、保護者会会長あてに送付しているという。

 アンケート結果をみる限りでは、東専各がこの文書を送付していたものの、AO入試導入が高校側に充分周知されるまでには時間がかかったようだ。


▲専門学校におけるAO入試導入を知った時期・AO対策指導


 情報の入手先は、専門学校の広報担当者が38%、進路情報誌の記事が26%、進路関係の研究会が21%、生徒が4%、その他が11%。指導の有無については、指導した高校が54校、指導しなかった高校が35校であった。

高校と専門学校などが参加し
報告やシンポジウムを行う


 都高進は、アンケート調査の結果をまとめたのち、2007年12月6日に第36回都高進専門学校研究会を開催し、研究協議を行った。

 研究協議では、都高進事務局長・浦部ひとみ教諭(都立足立高等学校)の挨拶のあと、個別報告が行われた。まず「AO入試導入の経緯と『運用基準』について」の報告が東専各事務局次長・有我明則氏によって行われ、次いで「AO入試アンケートの結果について」の報告が都高進専修学校研究会・長崎晶彦教諭(都立新宿山吹高等学校)によって行われた。これらの報告について質疑応答も行われた。

 個別報告に引き続いて「専門学校のAO入試を考える―AO入試元年の実施状況と結果の検証―」と題したシンポジウムが開かれた。

 パネリストは、東専各事務局次長の有我明則氏、学校法人立志舎・専門学校日本スクールオブビジネス教務担当常務理事・校長の山口慎一氏、国際文化理容美容専門学校国分寺校学校長の鈴木隆氏、東京愛犬専門学校学校長・理事長の窪田武雄氏、日本工学院専門学校・日本工学院八王子専門学校学校長の千葉茂氏、都高進事務局長の浦部ひとみ教諭。コーディネーターは、都立南多摩高等学校の齋藤勉教諭。
 専門学校版AO入試については、当シリーズですでにレポートしたように、都高進や多摩高進では高校側と専門学校側が意見交換する場が必要だと考えていた。その意味では、研究会に高校、専門学校、東専各が参加し、報告やシンポジウムを行ったことには意義がある。

 専門学校版AO入試2年度目となる2008年度も目前に迫ってきた。この新しい入試制度が、高校、専門学校、そして何よりも進学をめざす多くの生徒にとって実り多いものになっていくことが期待される。

《Eye's Journal シリーズ4 『専門学校とAO入試』 完》



▲専門学校におけるAO入試情報の入手先