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予備校の講師が常駐し
臨機応変に対応
「講師は予備校の先生にお願いしています。英語と数学が1人ずつ、物理と論文が2人ずつ計6人です。基本的には専門の科目を担当するのですが、オールマイティな先生が多くて、物理の先生が数学を教えたり、論文の先生が英語や数学を教えたりすることもできます。ですから、英語と物理を開講している日に数学を教えてもらいたいという学生が来たときなども臨機応変に対応しています。
メンバーは開講当初からずっと同じで学生との関係もすごく良好です。ですから、本学の教員だと思っている学生もいるかもしれませんね」
授業は個人指導だが、数名の学生が同時間帯に来ても順番待ちをするようなことはない。学生はプリント、参考書、問題集などを使って勉強を進め、講師は学生の様子を見ながら随時、質問に答えたり、問題の解き方を教えたり、回答をチェックしたりしていく。ただ、訪れる学生が多くなる曜日や科目があるので、そのときは1科目2人の講師が指導するようになっている。
資格取得や大学院進学など
多様なニーズにも対応
また、センターでは、資格取得や大学院進学、就職などのための学習支援にも対応していて、学習支援の内容は幅広いものになっている。そのため、学生のニーズの把握も重要になる。
「初めて来た学生には、講師や私たちスタッフがまず話を聞きます。学生ごとに、1つの問題を解きたい、長いスパンで英語の力を伸ばしたい、資格を取りたい、大学院に行きたいなど、ニーズはさまざまですから、それを確認した上でどのように学習を進めるといいか考えます。学習面だけではなく、生活面でのケアが必要な場合もありますから、講師の先生方と情報を共有しながら、必要な支援を行っていくようにしています」
さまざまな機会を利用して周知を図り
教員との協力関係も築く
今では多様なニーズに対応している学習支援センターだが、軌道に乗せるのは簡単なことではなかった。
「立ち上げ当初は、なかなか学生が来てくれなくて。何とかして学生に来てもらうための活動に時間を費やす感じでしたね。たとえば、昼休みなどにはビラ配りをしました。先生方には、授業の最初の10分間でもいいから時間をくださいとお願いして授業に出かけ、学生に支援センターの利用方法を説明しました。そうした活動を通じて、1年目の後半くらいから、少しずつ先生方と協力関係を築けるようになり、たとえば一定レベル以上の数学力が必要な学科などでは、先生方から学生にセンターで勉強することを推薦していただけるようになりました」
2年目からは、センターのスタッフが新入生のオリエンテーションでも、センターについて説明するようになった。また、1年生の必修科目「自立と体験」(フィールドワークなど多彩な実践型授業を行う)の授業のうち1回分をセンターが使えるようにしてもらい、スタッフがセンターの利用方法だけでなく、大学4年間の過ごし方、大学で学ぶ意味などについて授業をするようになった。
また、2つのセンターとも設立以来、学生の目線で支援業務を行った。対人関係に慣れていない学生が多く、窓口に来た学生への対応を間違えると二度と来なくなるので、センターを明るい雰囲気にし、スタッフは笑顔で対応した。
こうしたさまざまな努力によって、センターの認知度は徐々に高まり、利用者も増えていった。
学習と生活の両面から
学生支援を進める
2008年には、学習支援センターと学生生活・キャリア支援センターを一本化。名称を「学生支援センター」に改めた。
「学習支援センターを開設して動き出してみると、学習面と生活面は切り離せないことがよくわかりました。学習面で難しい状況にある学生といろいろ話をすると、単に勉強ができないのではなく、実は対人関係に問題があったり、大学で学ぶことや自分のキャリアに対する目的意識を持てなかったりして、学ぶ意欲が低下している場合があるのです。逆に、生活面での問題を解決することで、学習意欲が高まることもあります。
それにもともと2つのセンターは、学生支援のワンストップ・サービスを念頭に置いて同じ場所で立ち上げたものですから、1つの組織にして総合的に学生を支援していくことにしたのです」
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▲ 学生支援センターのフリースペース
(リメディアル授業、自習、学生の交流など多目的に使われる)
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教員との協力関係が深まり
双方で学生を支援
センターの学習支援については、教員の認知度や評価が高まり、前述したように教員との協力関係を築いているが、最近ではより緊密に連携するようになっている。
「先生方からいろいろな情報がセンターに集まってくるようになりました。一方で、私たちも先生方のFD(ファカルティ・ディベロップメント:註参照)研修などに呼ばれて、お話しさせていただくこともあります。
個別の学生についても、長期欠席を繰り返しているとか、再履修科目の単位を落としているといった情報をいただくことがあります。そういうときは、リメディアル授業ではこう対応して、学科のほうではこう対応するというように、双方で学生の支援を進めるようになってきました」
2008年度の利用者は
毎月1,000人を突破
講師の手厚く親切な指導、教員との連携強化などによって、リメディアル授業の利用者は年々増加。2008年度は4月1,017人、5月1,133人、6月1,049人、7月1,099人で、各月とも実績で1,000人を越えるまでになった(学生支援センターのある日野校の学生数は6,500人)。
また、利用者の学年別内訳を2007年度1年間で見ると、1年次47%、2年次12%、3年次17%、4年次7%、5年次以上2%、大学院生2%、その他(入学前教育での利用など)13%となっている。
リメディアル授業利用者の科目別比率は、2007年度1年間で見ると、数学57%、英語17%、物理7%、論文19%で、数学の多さが目立っている。
数学が多い理由は、同大学の学部のうち、理工学部で必須になるのはもちろん、情報学部でも重要であり、人文学部の中でも心理学や社会学は統計で数字を使い、経済学部の経済学や経営学でも必要になるからだ。また、問題を解き、教えてもらうことを繰り返さないと力が定着しないという科目の性格も関係している。
センターでの丁寧な指導で
自信をつける学生が増加
センターの学習支援は4年目の半ばを迎えたところだが、村山課長補佐は一定の手応えを感じている。
「センターでは、学生1人ひとりを丁寧に指導して、自信をつけさせることが可能なのではないかと思っています。実際、『きちんと勉強すれば分かるようになるし、分かるようになると勉強がおもしろくなる』と感じる学生が増えてきているのです。
センターで学ぶことは小さなステップかもしれませんが、それを積み重ねることで自信をつけていく学生をたくさん見てきました。やはり、こういう地道な取り組みが本当に大事なんだなと実感しています」
利用者の増加を見据え
より充実した支援を行う
このように、センターの活動は軌道に乗ってきたが、村山課長補佐はすでに次の段階を見据えている。
「利用者数が伸びていますので、それを踏まえて少しずつ見直していくことが必要です。たとえば、内容的に多くの学部学科で必要とされるものは共通の教材を開発することを考えてもいいかもしれません。それから、個別指導がベースであることは変わりませんが、ある程度の集団での授業が可能かどうかも検討していきたいと思います。
学生支援にどれだけ力を入れているかは、大学の評価にもつながってくることですから、今後も、教員や関係各部署との情報共有や連携を密にして、大学全体として支援を充実させていきたいですね」
[註]FD(ファカルティ・ディベロップメント)は、大学教員の教育内容・方法の改善のために、大学全体あるいは学部・学科全体で行う組織的な研修・研究のこと。1999年に大学設置基準で、大学にはFDを行う努力義務があると規定された。
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▲学生支援センターのリメディアル教室
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