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シリーズ 10
『〜教育力が問われる入試制度〜AO入試』
Part.1−@
プロローグ 前編
シリーズ 9
『専門学校の実力』
Part.1
データで分析する専門学校の現状
Part.2
専門学校の就職支援
綿密な就職指導や授業で学生をサポート
Part.3
専門学校の就学支援
奨学金など多彩な制度で学びを支える
Part.4
インタビュー
東京都専修学校各種学校協会
シリーズ 8
『魅力ある短期大学づくり』
Part.1
インタビュー
日本私立短期大学協会に聞く
Part.2 事例研究
Part.2−@
学生のキャリア意識形成を全力で支援
【埼玉女子短期大学】
Part.2−A
学ぶ喜びを体感できる新カリキュラム
【東京農業大学短期大学部】
シリーズ 7(2010年・改訂版)
『自立進学の可能性』
Part.1
プロローグ
Part.2 奨学金・教育ローンの可能性
Part.2−@
日本学生支援機構の奨学金
Part.2−A
国の教育ローン
Part.2ーB
大学の支援制度
Part.3
自立進学シミュレーション
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※この記事は、2009年1月より連載された特集記事を改訂し、再掲載しています。
学費を免除する特待生制度はどの大学にもある。しかし、その目的は学力やスポーツ能力などに優れた学生の確保。経済的な問題を抱えながらも進学を希望する高校生にとって、特待生になることを前提とした進学計画が現実的でないことは言うまでもない。やはり、頼りになるのは奨学金や国の教育ローンではないだろうか。「自立進学の可能性」PARTUでは、奨学金・教育ローンを3回に分けて取り上げる。
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大学生の
3.6人に1人が利用
日本の奨学金制度の中で、最も広く利用されているのが日本学生支援機構の奨学金だ。高校生の保護者世代には日本育英会と言った方が通りがいいかもしれない。小泉内閣によるいわゆる特殊法人改革の一環として、日本育英会は、国や留学関連の公益法人が行っていた学生支援事業と整理・統合され、2004年4月、独立法人日本学生支援機構となった。
同機構による奨学金事業の対象者は大学(短大を含む)、大学院、高等専門学校、専門学校(専修学校専門課程)の学生。日本育英会当時には対象となっていた高校生や専修学校高等課程の生徒は、同機構の設立にあわせて都道府県に移管されている。
2009年度(2009年4月〜)、日本学生支援機構の奨学金制度の利用者は114万5,366人。その数は年を追って増加している(図表@)。同機構によると、2006年度、全大学生の3.6人に1人が利用者だという。右肩上がりの図表@を見る限り、利用者の割合はさらに高まっていることだろう。
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図表-1 日本学生支援機構奨学金の貸与人員

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日本学生支援機構が手がける奨学金には、無利息の「第一種」と、返還時に利息がつく「第二種」があり、それぞれに貸与額、申請者の資格条件が異なる。
2009年度入学者に対する第一種の月額貸与額と貸与期間は図表Aの通りだ。卒業まで(4年間)の最大貸与回数48回に貸与月額を掛けた金額が総額。自宅外から通学する私大生の場合は月額が6万4,000円だから、総額は307万2,000円となり、利用者は卒業後、18年216回にわけて月1万4,222円ずつ返すことになる。資格条件としては高校の成績(全体の評定平均値3.5以上)のほか、保護者の所得があり、4人世帯を目安とした年収上限は図表Bの通りだ。
月額12万円の
借り入れも可能
一方の第二種には、全体の評定平均値のような数値による成績条件が定められていない。成績に関しては、
(1) 高等学校における成績が平均水準以上の者
(2) 特定の分野において、特に優れた資質能力があると認められる者
(3) 学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがあると認められる者
と記されているだけである。しかも、そのすべてではなく、「いずれかに該当する者」である。(1)はともかく、(2)と(3)は、貸与希望者本人の申告次第でクリアできそうだ。
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図表-2 日本学生支援機構奨学金の貸与額(第一種)

図表-3 日本学生支援機構奨学金(第一種)所得上限

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また、第二種は、保護者の所得条件もかなりゆるい。目安となる年収は1,000万円を優に超え、経済的には問題のなさそうな世帯までもカバーしている(図表-4)。むしろ、この目安の高さが、切実に奨学金貸与を望む者の弊害になりはしないかと心配になるほどだ。
その貸与額は3万円、5万円、8万円、10万円、12万円から選ぶことができる。私立大学の薬学部・獣医学部はさらに2万円、同医学部・歯学部は4万円の増額が可能だから最大16万円。私大の医学部に自立進学する者などいないだろうが、国公・私立の別を問わず、文系学部に進学しても月12万円が貸与されるとなれば、自立進学の可能性は大きく広がる。年額にして144万円。日本学生支援機構の奨学金貸与は入学後にスタートするため、初年度初回の学費に充当することはできないが、入学年の前期納入分さえ事前に調達できれば、その一部を学費にあてることもできそうだ。国立大学の授業料標準額は53万5,800円だから、年額144万円の借り入れができれば、単純な年間ベースの計算ではまだ90万円ほどが残る。その他の学費や生活費の一部も賄えるかもしれない。
問題は、卒業後の半年後からはじまる返還である。月12万円・4年間総額576万円の返還には20年240回が設定される。また、先述の通り第二種には年利3%を上限とする利息がつく。その最大利息である3%で計算すると、月の返済額は3万2,297円。対する大卒者の初任給は20万円程度である。高いのか安いのか、意見が分かれるところだろう。
返還を考慮した借り入れについては、本企画の最終章で再考したい。
■日本学生支援機構
http://www.jasso.go.jp/
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図表-4 日本学生支援機構奨学金(第二種)所得上限

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