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実習・講義・セミナーで構成する
学科横断的な専門教育
学科横断的な専門教育は、新プログラムの中でもとくに重点を置いているものだ。4学科共通の科目として、「食農体験実習」「みどりと農業生産」「食の安全と信頼」「マイスターセミナー」を開設。それぞれの科目を関連づけ、一体化した科目群として教育を行う。このうち食農体験実習は、試行科目として2009年度に先行実施している。
「食農体験実習は、4学科が連携して実施します。たとえば『米』という共通テーマを設定したうえで、各学科の特徴を活かした実習を準備し、学生全員に体験させます。生物生産技術学科なら稲の栽培、環境緑地学科なら稲を栽培する場の自然環境の観察、醸造学科なら米味噌の仕込み、栄養学科なら炊飯や米味噌を使った味噌汁づくり、といった体験学習です。
このような実習を体験することで、学生は所属学科だけでなく他学科の内容にも触れることができ、自分が学ぶ専門分野が食糧の生産から消費までの流れの中で、どういう位置付けになるのかも理解することができると思います」
2009年度は試行なので、希望者200人のなかから抽選で70人を選び、5月末に付属農場で実習を行った。生物生産技術学科の教員が田植えの実習、環境緑地学科の教員が田んぼの雑草や虫の生態観察などの実習を担当した。
「実習に参加した学生には感想レポートを提出してもらいましたが、貴重な体験ができて感動したという内容がほとんどで、実習の成果がうかがえます。
とはいえ、たんに実習を体験させるだけでは大学の教育とはいえません。実習に付随した講義科目として、生物生産技術学科と環境緑地学科による『みどりと農業生産』、醸造学科と栄養学科による『食の安全と信頼』を開講し、実習で学んだことの裏づけをします。さらに、現場のプロの方を招いて話を聴く『マイスターセミナー』を開講し、学生に各自のキャリアデザインを真剣に考えてもらうことも意図しています」
学生が運営にも参画する
マイスターセミナー
マイスターセミナーは、これまで生物生産技術学科で実施していたものを4学科共通の科目として装いも新たに開設する。生物生産に携わる農家の人などに加えて、造園家、醸造メーカーのスタッフ、調理師、栄養士などを幅広く招くことが予定されている。また、この授業は、学生が運営にかかわるのも大きな特色だ。
「各学科から代表の学生に出てきてもらって委員会を構成し、どのような講師を招いたらいいか意見を出してもらうなど、教員と一緒になってマイスターセミナーの運営にかかわってもらいます。今年度はトライアルなので、生物生産技術学科のマイスターセミナーを聴いてもらって、それを基に来年度のアイデアを考えてもらいます」
実績あるインターンシップなど
キャリア教育も重視
キャリア教育の科目としては、「キャリアデザイン」「インターンシップ」「ビジネスマナー」を開講する。
「キャリア教育はこれまで、キャリアセンターが中心となって実施してきました。それを授業として位置付け、科目を開講することにしたのです。このうちキャリアデザインについては今年度、試行科目として希望者を募集し、集中クラスを開講しています。
インターンシップは本学の場合、40年以上の歴史があります。その実績も踏まえながら4学科共通の科目として実施するとともに、学科によっては、さらに専門的なインターンシップにも取り組むようにしています。
ビジネスマナーは、キャリアセンターで行っていた内容を踏襲するかたちで授業を構成していくことになると思います」
新カリキュラムでは
教養系科目も拡充
2010年度からの新プログラムは、前述した4つのポイントに加えて、教養系の科目を大幅に増やしたことも特徴の1つだ。
「専門領域の勉強が重要であることはいうまでもありませんが、状況に応じて物事を考え、きちんと判断できる力を身につけることも大切です。そうした力を育むために、教養系科目である『総合教育科目』を拡大し、『生命倫理』『心の構造』『現代の環境問題』など新しい科目も数多く採り入れました。リメディアル教育、初年次教育、キャリア教育の科目も、分類上は総合教育科目に含めています」
学生と教員の「協働」によって
学ぶ目的意識を明確化
現在進行形のプログラムだが、藤垣教授は2010年度からの本格実施に向けた抱負を次のように語る。
「新しい教育プログラムのタイトルには『協働』という言葉を入れていますが、これは、学生が学びたい内容を教員と協議・決定し、マイスターセミナーなど授業の運営にも参画することによって、自ら積極的に学ぶ喜びを体験してもらう、という意味です。
そのようにして、学ぶ動機づけがうまくできれば、2年間の短期大学であっても、充実した学生生活の中で、将来、食糧の生産者や技術者として活躍するための基礎づくりができると考えています」
〈 取材・構成:山本龍典 〉
*註:FD(ファカルティ・ディベロップメント)は、大学教員の教育内容・方法の改善のために、大学全体あるいは学部・学科全体で行う組織的な研修・研究のこと。
■東京農業大学
http://www.nodai.ac.jp/index.php
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