シリーズ26

出願直前
2016年度 大学入試のトレンドをチェック

Part.1
推薦入試


解説:駿台進学情報センター
センター長 石原 賢一氏
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成当時のものです
更新:2015/09/28
大学入試は2016年度から全面的に新課程入試に移行するが、どのように変化するのだろうか。推薦入試、センター試験、国公立大個別試験、私立大一般選抜試験について、志願動向、注目される動き、併願作戦、学習の進め方などを駿台進学情報センターの石原賢一センター長に分析していただいた(全4回)。

推薦入試
中堅クラスはやや厳しい競争に
国立大の推薦入試が拡大

2016年度の推薦入試は、とくに中堅クラスの大学で志願者が増える可能性がある。

本来、推薦入試は年度による志願動向の変化はそれほどなかった。しかし、2015年度から新課程入試が始まったことで、センター試験の負担増への警戒感などから、文科系の受験生を中心に安全志向や早く合格を決めたいという気持ちで推薦入試に目を向ける動きが目立った。理科系もここ数年、一般選抜試験は厳しさがあったので、推薦入試を志向する受験生がいた。

2016年度は、この傾向がそのまま続くというわけではない。大学入試全体をみると、2016年度は二極化の傾向が出ていて、受験生のうち、いわゆる難関大などを志望している層は、比較的強気に一般選抜試験をめざしている。

その一方で、中堅クラスの大学志望者には、センター試験の負担感から、国公立大離れや、一般選抜試験ではなく推薦入試に目を向ける志向がある。このため、主に中堅クラスの大学で、やや厳しい推薦入試になる可能性があるのだ。

2016年度は、東京大が推薦入試を開始することも注目されている。これは後期日程を廃止して、その募集人員を推薦入試に充てるもの。

これにより、国立大は東京藝術大以外すべて推薦入試かAO入試を実施することになり、従来にない人材を獲得したいという考えが広まっている。

こうした流れは、2020年度からセンター試験に替わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されるなど、大学入試の制度がまったく新しいものになることにも関係がある。新制度での入試は、学力以外のさまざまな要素も重視して、人物を評価するものになり、推薦入試の拡大はそうした考え方を先取りする面もある。

2014年度 入試別の入学者比率(文部科学省)
  一般入試 推薦入試 AO入試 その他
国立大学 84.5% 12.2% 2.6% 0.2%
公立大学 73.2% 24.1% 2.0% 0.1%
私立大学 49.6% 39.7% 0.3% 0.3%

※2014年4月入学者の比率
※「その他」は専門高校・総合学科卒業生入試、帰国子女入試。

推薦入試
第一志望であることが大前提
将来まで考えた出願を

志願動向や募集動向とは別に、推薦入試ではとくに気をつけたいことがある。それは、安易な気持ちで出願しないことだ。

一般選抜入試以上に、本当の第一志望であること、入学の目的が明確であることが重要になる。そうであれば、大学での学習に真剣に取り組めるだろうし、さまざまな活動を 通じて自分を磨いていくことができる。

しかし、もし心の片隅に「指定校推薦の枠があるから」「早く決めたいから」という気持ちがあるなら、むしろ、一般選抜試験を目指したほうがよい。これは、一つには本当に入りたい大学で、目的意識も明確でないと、せっかく入った大学に適応できないケースがあるからだ。

もう一つは、推薦入試での入学者は一般選抜試験での入学者に比べて学力が低くなる傾向があり、大学での学習に問題が出たり、就職活動、さらに就職後の仕事にまで影響がおよんだりする可能性があるからだ。

数年後には大学入試がまったく別物に替わるように、時代は大きく変化している。グローバル化も加速し、外国人を積極的に採用する企業はもちろん、英語を公用語にしようとしている企業さえある。

つまり、将来の職場では、新制度で大学に入る後輩たち、ハングリー精神旺盛な外国の人たちとの競争にさらされる。そうした競争にも動じない力を第一志望の大学で身につけたい。そう思えるなら、推薦入試を積極的に活用したい。

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