ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第7回 Part.1

2007-10-22UP

多様な惑星系の統一的な形成理論を追究(1)


東京工業大学大学院 理工学研究科
井田 茂研究室

第9回 〜 第5回

第9回
「超能力」を題材に心の不思議に迫る
《明治大学 情報コミュニケーション学部 石川幹人研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4


第8回
食品のおいしさや健康効果を探る
《実践女子大学 生活科学部 田島眞研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4


第7回
多様な惑星系の統一的な形成理論を追究
《東京工業大学大学院 理工学研究科 井田 茂研究室》
Part.1

Part.2
Part.3
Part.4


第6回
化石を通じて未来の環境変動を予測
《早稲田大学 教育学部地球科学教室 平野弘道研究室》
Part.1
Part.2
Part.3
Part.4


第5回
対象地域に継続的にかかわりながら人を中心に据えたまちづくりを研究
《埼玉大学 教養学部 梶島邦江研究室》
Part.1
Part.2
Part.3
Part.4


『新・研究室はオモシロイ』(全16回)
雑誌「ドリコムアイ」に掲載された記事をPDFファイルでご覧いただけます。

 昨年8月、国際天文学連合総会で、冥王星が太陽系の「惑星」から外されたことは記憶に新しい。教科書に載っていて、一般的には常識になっていることも、常に検証が行われ、新しい考え方が提示されるということだ。

 それは、もちろん1つの惑星に限ったことではない。太陽系全体、そして太陽系以外の惑星系(系外惑星系)についても、世界中で研究が進められ、次々に新しい事実が発見されたり新しい学説が発表されたりしている。

 そこで今回は、東京工業大学大学院理工学研究科(地球惑星科学専攻)の井田茂先生の研究室を訪ね、太陽系や系外惑星系について、どのような研究が行われているのか教えていただくことにした。

コンピュータ・シミュレーションで
惑星系形成理論を研究


 宇宙に関する研究は、理論と観測に大別されるが、井田先生は理論面から太陽系の形成や系外惑星系の形成について研究している。その手段となっているのは、コンピュータによるシミュレーション。コンピュータのなかで数値による「実験」を行い、何が起こるかを「観測」し、その結果を分析するものだ。

太陽系以外の惑星発見によって
惑星系形成理論の再構築が必要に


 井田先生が取り組んでいる研究のうち、まず太陽系の形成にかかわるテーマについて教えていただくことにした。


▲東京工業大学大学院 理工学研究科 井田茂教授

 太陽系がどのようにして形成されたのかが、おおよそ明らかになってきたのは、実はそれほど昔のことではないという。1980年代から1990年代にかけて「太陽系形成標準モデル」とされるものが確立されたのだ。ところが、1995年に、その標準モデルを揺るがすような出来事が起きた。太陽系以外での惑星の発見だ(後述)。

「我々は、惑星系としては太陽系しか知らなかったので、惑星系形成理論イコール太陽系形成理論でした。しかし、1995年に初めて太陽系以外の惑星(系外惑星)がみつかり、その後も次々に系外惑星が発見されました。しかも、それらの姿は多種多様で、太陽系形成標準モデルを適用するだけでは説明がつかない。

 そこで、惑星系形成理論は、太陽系とともに多様な惑星系の形成も統一的に説明することが求められ、再構築を迫られることになりました。そのためには、太陽系形成標準モデルを徹底的に洗い直し、隠れていたり抜けていたりする新たな可能性を探り出し、それを系外惑星系に適用することが必要になってきたのです」




【用語解説】
『ウィキペディア 日本語版』2007年10月19日(金)掲載の最新版から引用(http://ja.wikipedia.org/

惑星系(わくせいけい):恒星を中心として、その周りを公転する惑星などの天体の集まりのこと。地球が属する太陽系は惑星系の1つ。近年、太陽近傍の恒星に、その周りを公転する惑星があることが発見され始め、その数は200を超えている。

太陽系(たいようけい):銀河系に多数存在する惑星系の一つ。太陽および太陽の周囲を公転する天体と微粒子、さらに太陽活動が環境を決定する主要因となる空間から構成される領域をいう。

恒星(こうせい):主に水素、ヘリウムの核融合エネルギーにより自ら輝く天体。恒星内では、核融合による光子などの放射と熱膨張による拡張する力と、原子同士の引力の収縮力がバランスをとっている。このバランスが崩れると、恒星は不安定期を迎え、天体としての寿命を終える。晩年はその質量によって異なる運命をたどる。太陽も恒星の1つ。

惑星(わくせい):太陽など恒星の周りを回る天体のうち、褐色矮星の理論的下限質量(木星質量の十数倍)程度よりも低質量のもの。地球、木星、天王星など。


《つづく》
(次回は「太陽系惑星の形成について」です)



■東京工業大学
http://www.titech.ac.jp/

■井田研究室
http://www.geo.titech.ac.jp/lab/ida/


▲太陽系形成標準モデル