米を研ぐ回数は1回で充分
しばらく水に浸けることも重要
田島先生は、なぜおいしいかにとどまらず、どうすればおいしく炊けるかの研究も進めている。具体的には、米の研ぎ方や水に浸けておく時間とおいしさの関係を実験で明らかにしている。
「昔は、水が透明になるまで研ぐのがいいといわれましたが、そこまで研ぐと米の表面にある糖質(オリゴ糖のもとになる成分など)が流れ出てしまいます。それなら、表面の糖質が流れ出さない程度に研げばいいのではないかと考えて、実験して確かめてみました。
1回、2回、3回と回数を変えて米を研いで、炊いて、オリゴ糖の量は装置で測定し、おいしさは感応検査で調べました。その結果、1回で充分だということがわかりました」
研いだあと水に浸けておく時間も、おいしさを左右する大きなポイントになるそうだ。
「米を研いだあと、すぐに炊くとおいしくない、ということも昔からいわれていました。そこで、どのくらいの時間、水に浸けておいたらいいのかも実験してみました。そうすると、夏場なら30分、冬場なら1時間浸けておくといちばんおいしい、というデータが出ました。
季節で時間に差があるのは、水温が違うからです。酵素は、ある程度の温度がないと働かない。ですから、夏場だと30分でいいけれど、冬場だと1時間ぐらいは必要になるのです。もし、夏場の30分をもっと短くしたいなら、50℃ぐらいのお湯に10分ぐらい浸けておけば、おいしく炊けます」
このように、米のおいしさの決め手はオリゴ糖であることを明らかにしたのが、田島先生の研究室の大きな業績の1つだ。そして、米のおいしさに関する研究は現在も続いている。ごく最近は、蒸気炊飯器で炊いた米のおいしさについて研究し、この8月に学会で発表したばかりだ。
「蒸気炊飯器は、炊飯器のなかに小さな器があって、そこに水を入れておくと熱せられてフタの内側から蒸気が出ます。そうすると、米の表面がしっとりすると同時に、白くテカる『おねば』と呼ばれるものの量が増えることがわかりました。実は、その『おねば』はオリゴ糖の本体なのです。つまり、蒸気炊飯器で米を炊くと、オリゴ糖が多くできるのが確認できたのです」
《つづく》
(次回は「次回は野菜のポリフェノールについて」です)
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