トマトを3週間食べて
血液サラサラ効果を測定
ポリフェノールについては、一昨年から健康効果の研究に取り組んでいる。使用する野菜は、トマトだ。
「ゼミでポリフェノールを研究する学生さん数人が、トマトを食べて実際に血液がサラサラになるか実験をしています。
トマトは3週間、毎日食べます。食品は薬とは違いますから、すぐに何らかの効果が出るということはありません。最低でも3週間ぐらいは食べ続ける必要があるのです。
具体的には、1日200グラムのトマトを朝昼晩の三食に分けて、通常の食事と一緒に食べます。それを毎日続けて、1週間ごとに採血して血液の酸化度を測定します。酸化度が高いと血液はドロドロになり、酸化度が低いと血液はサラサラになるからです」
期間中、学生さんは毎日、三食をデジカメで撮影する。トマト以外の食品でポリフェノールやビタミンC(血液の酸化度を下げる作用がある)をどのくらい摂取しているか調べて、より正確な実験データが得られるようにするためだ。食品の量が大体わかれば、ポリフェノールやビタミンCがどのくらい含まれているかはコンピュータで計算できる。
トマトジュースと
トマトの違いを検証
トマトを食べる実験は、前期に3週間、後期に3週間と年2回行った。そして、昨年から実験の内容をふくらませた。トマトだけでなく、トマトジュースについても調べることにしたのだ。
「最近、野菜ジュースが流行していますが、果たして野菜ジュースは野菜の代わりになるのだろうかと考えて、野菜を食べたときの血液の酸化度の数値と、野菜ジュースを飲んだときの血液の酸化度の数値を比較してみることにしたのです」
実験方法は、基本的にはトマトだけのときと同様で、そこにトマトジュースが加わる。この研究を担当するゼミの学生は、まず3週間、トマトを食べて血液の酸化度を1週間ごとに測定する。それが終わったら、トマトジュースを3週間飲んで、1週間ごとに血液の酸化度を測定する。この組み合わせで前期に1回、後期に1回、実験を行う。
トマトジュースの量は、実験で食べたトマトに含まれるポリフェノールの量によって決める。3週間分のトマトに含まれていたポリフェノールの量を測定しておいて、それと同じ量になるようにトマトジュースを飲む。
「昨年までの実験では、血液の酸化度を下げる効果があった人もいたし、なかった人もいました。こうした実験は個人差がありますし、実験する学生の数も限られていますから、短期間で明確な結果を求めるのは難しいのです。ただ、今年も同じ実験を継続していますから、より明確なデータが出てくるか見守っているところです」
ポリフェノールの作用自体は、すでに明らかになっていることだ。しかし、ポリフェノールを含む食品を食べることで血液の酸化度が低くなったというデータはほとんどなく、野菜ジュースが本物の野菜と同等の効果があるかは、まったくデータがないそうだ。それだけに、実験によって明確なデータを出すことができれば、大きな研究成果になる。
《つづく》
(次回は「肉のカルニチンと健康」です)
■実践女子大学
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