超心理学研究を通じて
科学のあり方を問い直す
石川先生は2003年の春に「メタ超心理学研究室」を立ち上げた。「メタ」という言葉は、何らかの対象全体を大きくとらえるような意味で使われることが多いが、石川先生は「超心理学の研究」について研究する、というスタンスを示すために、この名称を付けた。
研究テーマも、超能力の実証実験、超能力や特異現象などの事例調査、意識調査、文献調査をはじめ数多く設定されているが、そうした各種のテーマに取り組んでいくことを通じて科学のあり方を見直すことが、この研究の大きな目的になっている。
「科学の研究は、繰り返し実験して再現性があるものを理論によって説明することで進んでいきます。これは自然科学のことですが、たしかに自然科学の世界では、そうした方法によって研究成果が上がり、ある程度うまくいっています。ただ、その方法を人間や社会の研究にそのまま適用する動きがあり、疑問を感じています。
というのは、自然科学の研究は主にモノを対象にしていますから、必ずしも複雑ではない面もあります。同じような実験をすれば同じような結果が得られる。そういう性格があるのです。しかし、たとえば人間の心理は気持ちの問題ですから、自分の気持ち、相手の気持ち、かかわる人の気持ちなどが複雑に絡んできて、実験をしても再現が難しかったり、答えが1つではなかったりということになります。
つまり、モノでうまくいった方法を人間や社会の研究に持ち込んでも、なかなかうまくいかないということが、現在の科学の悩ましい問題になりつつあるのです。
そういう問題を整理する題材として超心理学の研究を位置付け、モノと人間との違いを探ることなどを通して、科学のあり方を考え直していきたいと思っています」
《つづく》
(次回は「超心理学の具体的な研究対象について」です)
■明治大学
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