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前回は、透視、テレパシー、予知など、ESP(超感覚的知覚)の具体的な実験について話した。今回は、先生のもう1つの実験テーマである念力(PK=サイコキネシス)実験について伺う。
微細な物理現象に念力が働くか
乱数発生器を使って実験
石川先生はPKの実験も進めている。この実験は、予知実験でも使用している乱数発生器に念力が作用するか、というものだ。
「大勢の人が騒いだり、感情が高揚したりすると、乱数発生器から出る乱数に偏りが生じるという仮説があるのです。
乱数発生器は0と1をランダムに発生させますが、0101と均等になるわけではなく、000、111というように、ときどき0が集中したり1が集中したりします。それは、通常は統計的なバラツキの範囲に収まっていますが、その範囲を超えて0が集中したり、1が集中したりすることがあり、それは多くの人の感情がかきたてられるようなときに起こるとされています」
こうした現象を世界レベルで研究するため、1997年からアメリカのプリンストン大学で「地球意識プロジェクト」がスタートした。プリンストン大学では長年、乱数発生器への念力作用の実験が行われていて、大勢の人が集まる場で乱数に偏りが出る傾向が明らかになっている。そこで、実験を地球規模に拡大したプロジェクトを発足させたのだ。
この実験では、世界各地に乱数発生器とコンピュータを接続したシステムを配置し、乱数のデータをインターネット経由でプリンストン大学のサーバに蓄積している。現在は世界に約100台の端末があり、日本では1台だけ石川先生の研究室にある。
このプロジェクトでは、大きな出来事があったときに乱数の偏りが検出されている。たとえば、2001年9月11日のアメリカでの同時多発テロ当日は、その前後60日間と比べて明らかに偏ったデータが記録されている。一方で、2004年12月のスマトラ島沖地震のときには偏りは検出されていない。ただ、約10年間の全体を通して見ると、大きな出来事があったときに乱数が偏る傾向が明らかになっているという。
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石川 幹人(いしかわ まさと)
1959年、東京都生まれ。東京工業大学理学部卒業。同大学院物理情報工学専攻、松下電器産業マルチメディアシステム研究所、財団法人新世代コンピュータ技術開発機構研究所などを経て1997年、明治大学文学部助教授。博士(工学)。2004年から現職。主な著書に『心と認知の情報学』(勁草書房)『入門 マインドサイエンスの思想』(共編著/新曜社)『心とは何か 心理学と諸科学との対話』(共編著/北大路書房)などがある。
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