第16回 vol.2

2010-01-12UP

特殊造型専攻〔メイク学科〕
(後編)


専門学校東京ビジュアルアーツ
(東京都千代田区)

第16回 特殊造型専攻(メイク学科)
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第15回 国際ホテル学科
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第14回 環境・バイオ科
vol.1 前編

vol.2 後編

第13回 ドッグトレーナー学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第12回 鉄道交通ビジネスコース
vol.1 前編
vol.2 後編

第11回 製菓・カフェ経営科
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vol.2 後編

第10回 薬業科
vol.1 前編
vol.2 後編

第9回 1級自動車エンジニア科
vol.1 前編
vol.2 後編


『キーワードで探る専門学校のカリキュラム』(全20回)
雑誌「ドリコムアイ」に掲載された記事をPDFファイルでご覧いただけます。

 全国から入学者を集める東京の専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカキュラムに迫ります。

 今回は特殊造型の技能をカリキュラム化した東京ビジュアルアーツ(東京都千代田区)のメイク学科を訪ね、学務部の橋本邦比兒部長に話を聞いています。

――インターンシップの機会もあると聞きました。

 本物の特殊メイク・造型の学校をつくろう」と、学科を立ち上げる時からカリキュラムづくりにも尽力いただいている特殊メイクアップアーティストの江川悦子先生の力添えで、先生が手がける映画やテレビなどの制作現場で、実際にスタッフとして働く機会を提供してもらっています。

 江川先生は日本における特殊メイク、特殊造型のパイオニア的存在で、数多くの映画やテレビ番組、CFなどで活躍されています。手がけられた作品をあげ出せばきりがありませんが、近年の映画でいえば、松竹映画『ゲゲゲの鬼太郎』およびその続編の『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』もそうです。その制作には本校の在学生も、インターンシップ制度を利用してスタッフとして参加しました。

 ただ、ここでいうインターンシップは、通常のインターンシップの概念とは少し違うのかもしれません。一般にインターンシップというと、学生に就業体験の機会を与えるための制度ですよね。そのメリットは学生には大いにあっても、企業側にはほとんどないのが実情でしょう。けれど、特殊メイク専攻や特殊造型専攻の学生には、江川先生のもとで学んだその技術に期待して声がかかります。そのため、賃金も支給されます。

 学生の技量を見込んだ企業との連携。新しいかたちの産学連携といえるのではないでしょうか。



▲学務部 橋本 邦比兒 部長

――海外に教育協力校があるそうですね。

 ロサンゼルスとニューヨークを拠点にしたMUD(Make-up designory)のことですね。メイクアップアートやヘアスタイリング、キャラクター制作、特殊メイクなどの先端テクニックの教授で知られる学校です。本校とは、特別講師の派遣などで協力関係にあり、海外研修時にはデモンストレーションの見学などで訪れたりしますが、なにより最先端のメイクアート技術の情報収集に役立っています。

 たとえば、先端メイクアートの世界では、エアブラシを使ったメイクが主流になってきました。ファンデーションなどを霧状にして吹きつけるわけです。そのきめの細かさや発色の良さはハンドメイクの比ではありません。いわばハイビジョン時代の最先端メイク技術といっていいでしょう。メイク学科ではいち早くその技術を導入して授業プログラムに加えました。

 本校のメイク学科は、特殊メイク専攻、特殊造型専攻のほか、メイクアップアーティスト専攻、映像・舞台メイク専攻の4専攻を開設していて、ゼミナールにおいては、専攻の枠を越えて選択することが可能です。


――高校を卒業してすぐに入学してくる学生の割合はどれくらいですか。

 特殊造型専攻では、いま、1・2年生あわせて25人の学生が学んでいますが、その約半数が高校からストレートに入学してきた学生です。残り半分が大学卒業後、あるいは社会に出た後の入学者。なかには美大の卒業生や中退者もいます。また、自衛隊に入隊して学費を貯めて入学してきた者もいます。

 共通するのは物づくりが好きなこと。みんな技術の修得に貪欲です。本校には、授業が終わったあとも、午後9時まで学内の設備を使うことができる「教室開放」という制度がありますが、遅くまで残っている学生が少なくありません。

 本校の授業は20人体制がモットーです。それを大きく上回る場合はクラスを複数に分け、つねに講師の目が届くような教室運営を心がけています。
是非、高校生の方には一度、学校に足を運んで頂けたらと思います。本校では毎月、体験入学などさまざまなイベントを行っています。メイク学科の体験講座の中には動物の鼻づくりや傷メイクなどのリアルメイクや、季節にあったヘアメイクなど日ごろの授業で行っている内容の一部を体験できます。実際に自分の手で物づくりの楽しさを肌で感じてもらいたいですね。


■ Reporter's NOTE(特殊造型専攻) 

 美術造型・模型の制作を生業とする友人が、待ち合わせ場所として指定してきたのが、生地や手芸雑貨をあつかう新宿の服飾専門店でした。テレビドラマの撮影で使う等身大の白クマづくりに向けて、毛皮の代用となる布地を探しにきたといいます。実話にもとづくドキュメンタリードラマです。リアルであることはもちろん、水中シーンの撮影もあるため、そのオーダーにも応えられる素材でなければなりません。

 彼が手がけるのは、テレビや映画の舞台セットや小道具、さらには博物館やテーマパークに納めるキャラクターやジオラマにもおよびます。美大在学中にはじめた造型工房でのアルバイトをきっかけにこの世界を知ったといいます。美大での専攻は油絵ですから、自ら職域を開拓した人といえるでしょう。先のドラマに登場した白クマは、実に見事に再現されていました。

 テレビの表舞台で活躍するタレントやアナウンサーなどに比べて、プロデューサーやディレクターの仕事を連想するのが難しいのは、それが裏方だからです。そして特殊造型物の制作は、さらにその下請の仕事です。社会の表側だけを見ていても、まず目に止まることはないでしょう。

 今回の取材を通して、裏方の職務の開示に、専門学校が貢献していることを改めて思い知りました。東京の多摩地区や埼玉の入間地区に多く点在する造型工房は、どこも小さな会社で、未経験の新卒者を採用してジョブトレーニングで育てる余裕はありません。専門学校東京ビジュアルアーツの特殊造型専攻は開設から3年目。2009年3月にはじめて卒業生を送り出し、全員、希望通りの関連職に就くことができたといいます。



■専門学校東京ビジュアルアーツ
http://www.tva.ac.jp/