|
見上 モデルケースといったものは特にありませんが、大山のぶ代校長をはじめとして、講師に就任していただいく先生方に意見を聞きました。そこで皆さんが口をそろえて言われたのが、基礎ができていない段階で、演技のマネ事だけはやってくれるな、ということでした。たとえば入学早々にアテレコの授業を組むなど、もってのほかだというわけです。
考えてみればそうですよね。野球好きな人を集めてゲームばかりをやらせて、それでプロ野球選手が育つわけがありません。人並み以上の基礎体力をつけ、投げたり捕ったり打ったりする技術を身につけることが先決。そうなって、はじめてプロとしてのトレーニングをするスタートラインにつけるわけですからね。
こういった先生方のアドバイスをもとに、特に1年生の前期は基礎力育成にあて、アテレコなどの、いわゆる実践授業は、後期の半ばを過ぎて導入するようにカリキュラムを編成しました。後期の半ばでも早すぎるとおっしゃる先生もいましたが、2年制の課程ですし、2年生になると、オーディションへの積極的なチャレンジを奨励しよう、と考えていますので、それまでに基礎を徹底トレーニングするということで、納得していただいています。
そしてもうひとつ、カリキュラムの柱として考えているのが、先ほどお話ししたことにも通ずる、音響技術専門課程との有機的な連携です。学内の設備を有効活用して、制作スタッフになるための勉強をしている学生と一緒に、番組などをつくるわけです。私たちはこれを「協学システム」と呼んでいます。
ただし、同じ学校の学生同士という意識が強くなりすぎると、なれ合いになりかねません。そこで、両課程の通常の授業はすべて分けて行います。『英語』『映画史』など、一般教養的な科目のなかには、両課程に共通のものもあって、席を並べてもらった方が効率的なのですが、それでも分けて行います。協学システムが動き出したときには、制作スタッフと出演者として、真剣勝負で臨んでもらいたいからです。
《つづく》
■音響芸術専門学校
http://www.onkyo.ac.jp/
|