ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第9回 vol.2

2008-04-28UP

1級自動車エンジニア科〔4年制〕
(後編)


東京工科自動車大学校
(東京都世田谷区)

第18回 音楽総合アカデミー学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第17回 スポーツ栄養コース(栄養士科)
vol.1 前編

vol.2 後編

第16回 特殊造型専攻(メイク学科)
vol.1 前編

vol.2 後編

第15回 国際ホテル学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第14回 環境・バイオ科
vol.1 前編

vol.2 後編

第13回 ドッグトレーナー学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第12回 鉄道交通ビジネスコース
vol.1 前編
vol.2 後編

第11回 製菓・カフェ経営科
vol.1 前編
vol.2 後編

第10回 薬業科
vol.1 前編
vol.2 後編

第9回 1級自動車エンジニア科
vol.1 前編
vol.2 後編


『キーワードで探る専門学校のカリキュラム』(全20回)
雑誌「ドリコムアイ」に掲載された記事をPDFファイルでご覧いただけます。

 超難関で知られる1級自動車整備士の資格試験。その養成をにらんで専門学校でも4年制の学科が目に付くようになりました。1級整備士にはどんな知識・技術が求められ、これらを専門学校で学ぶメリットはどんなところにあるのでしょうか。

 2008年度に1級自動車エンジニア科を新設した東京工科自動車大学校を訪ね、佐藤康夫校長に話を伺いました。


大卒に優るとも劣らない
既存の2年コース卒業生の就職実績


――1級整備士の資格試験ではどんな能力が試されるのでしょうか。

 1級整備士には、2級レベルの技能に加えて、(1)近年の自動車の進化を支えるコンピュータへの対応力、(2)エネルギー問題・環境問題への対応力、(3)接客や説明責任を果たすためのコミュニケーション能力、が求められます。

 このうち、(1)と(2)を支える知識は開発部門に欠かせません。その他の工学知識と同じように、自動車と関連づけた専門学校ならではの具体的なプログラムで、知識と技能の同時習得が実現できると思っています。

 それに、すべての知識や技能を自動車に関連づけて学べば、設計から組立・製造の工程がイメージできるようになり、問題解決能力を涵養すると考えています。

 ヒアリングで、工学的基礎知識と並んで求められたのが、この問題解決能力でした。大卒者は卒業研究などを通してある程度身につけているというのです。しかし、これも過去のことで、近年では、問題を見いだし解決方法を判断する力が欠如してきているとのことでした。

 そしてもうひとつ、メーカーが大卒者の採用にこだわってきた点として、英語力をあげる声も聞かれました。決して必要にして十分というわけではないけれど、やはり修業年限にゆとりがあるせいか、一定の素地はできているというのです。

 これについては、神田外語の方に協力してもらって、独自のカリキュラムをつくりあげました。メーカーは、将来的にTOEIC500程度のスコアがあげられる英語力を求めています。1級自動車エンジニア科を卒業した時点で、少なくともスコア400に達するようにトレーニングしていきます。


▲佐藤 康夫校長

――1級課程の2年制としてスタートした今年の卒業生の実績が、今後の4年制1級自動車エンジニア科のモデルとなると思いますが……。

 2008年3月に最初の卒業生を送り出しました。卒業生は19人。うちメーカーの開発部門に17人が就職を果たしています。残り2人のうち1人はレース車両等の整備部門、もうひとりはディーラーの整備部門です。

 また、メーカー就職者のうち10人は、大学・専門学校卒の学歴を問わないオープンエントリーに出願して採用されています。予想どおりの好結果を残してくれました。

 1級自動車エンジニア科の開設で、さらに時間を有効に使った一貫教育が可能になります。4年後が楽しみです。

■ Reporter's note 

 自動車整備士を検定試験で認定する制度が発足した当初から、その受験資格は、1級から3級まで、実務経験や学歴などによって定められていました。ところが、長らく1級試験が行われることはなく、つい最近まで、自動車整備の最上級資格は、事実上2級だったのです。1級試験のスタートは2002年。9,107人の筆記試験受験者のうち、口述、実技試験までクリアできたのは330人という狭き門でした。

 以降、専門学校がその養成に乗り出したこともあって、近年では毎年800人程度の1級整備士が生まれています。養成施設として認定された専門学校を修了すると実技試験が免除されます。しかし、2007年11月に行われた1級筆記試験を受験した2,315人のうち、合格したのは324人と、難関試験であることに変わりはありません。筆記試験合格者よりも最終合格者の方が多いのは、筆記・口述試験の合格歴を2年間持ち越すことができるからです。

 今回取材した1級自動車エンジニア科の最大の特徴は、1級試験の合格そのものよりも、1級試験に向けた学習を通じて技術者を養成しようとしている点にあると感じました。これまで専門学校卒業者を受け入れてこなかった、あるいは結果的に大卒者ばかりを採用してきた自動車メーカー等の開発部門をターゲットに、人材ニーズを調査して、それを実現させるカリキュラムを編成。専門学校本来の役割である、特定の業界や職業に必要な技能の習得に向けた教育を、修学期間を大学と同じ4年間にすることで実現させました。

 学生は在学中に2級整備士の資格を取得して、開発・研究のベースになる学術的な理論や技術を学びます。自動車が好きで入学してきた学生ですから、自動車にまつわる知識や技術の吸収力は高いに違いありません。

 身につけた知識や技術を、自動車レースなどの競技会に参戦するなどして試す機会も設けるとのことです。こういった競技会には大学チームも多く参戦します。自動車を専門に学ぶ4年制専門学校の学生チームとしては負けられないところ。楽しい話題を提供してくれそうです。


■東京工科自動車大学校
http://www.tera-house.ac.jp/