東京の専門学校

都心の専門学校ならではの、特色ある学科やコースを取材

12-1

第12回 vol.1
鉄道交通ビジネスコース【2年制】
(前編)

大原簿記学校
(東京都千代田区)
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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全国から入学者を集める東京の専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカキュラムに迫ります。今回は鉄道交通ビジネスコース。2万人とも3万人ともいわれる日本の鉄道ファンにとって、気になるコースに違いありません。大原簿記学校(東京都千代田区)を訪ね、同コース担任の石川享先生に、カリキュラムの中身を聞いてきました。

▲石川 亨 先生

――電車の運転士や車掌を養成するコースなのでしょうか。

運転士や車掌は、鉄道会社に就職して経験を積み、それぞれの登用試験を受けて合格して初めて就ける職務です。鉄道会社に採用されると、まずは駅係員の任務に携わるのが一般的で、そこで経験を積むと車掌登用試験の受験資格が与えられ、さらにステップアップして運転士の登用試験に臨むことができるといいます。

大原の鉄道交通ビジネスコースは、運転や車掌業務の技術的なトレーニングをするコースではなく、その職に就くための前提条件である鉄道業界への就職、あるいはその関連業界ともいえる旅行・レジャー業界への進出をめざすコースです。

――どういったカリキュラムを編成しているのですか。

鉄道や旅行業界で必要な知識やスキルを身につけながら、そこで修得した成果を資格取得に結びつけるカリキュラムを編成しています。

鉄道交通ビジネスコースが第一の目標とする資格は、『国内旅行業務取扱管理者』です。これは旅行業界で働くためには必須の国家資格で、「旅行業法及びこれに基づく命令」や「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」、そして「国内旅行実務」として、「運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行実務に関する料金」や「旅行業務の取扱いに関する実務処理」の知識が問われます。これを、「旅行業法令」「約款」「時刻表知識」「観光知識」「料金計算」といった授業プログラムに分けて学んでいきます。

「旅行業法令」や「約款」では、単に法律知識を暗記するのではなく、業務上のトラブルを想定するなどして、その未然防止や解決に向けた対処法についても学習します。「時刻表知識」では時刻表を使いこなすトレーニングを行い、「観光知識」では国内外の主要観光地の地理、文化、歴史、観光事業などを学びます。

そして「料金計算」では、列車や航空機などの運賃がどう体系化されているかを学びながら、さまざまなオーダーを適切に処理して料金を算出する方法を身につけます。いずれも就業現場で求められる知識やスキルであると同時に、試験の受験対策にもなります。

大原は実習も豊富で、旅行会社の窓口業務を想定した「旅行プランニング実習」は、このコースならではの実習といえます。旅行プランの作成、行程表の書き方、見積書の作成を実践指導するほか、ツアー企画の立案なども行います。また、鉄道・旅行業界の現状を学び、経営についての知識を身につける「業界研究」の授業もあります。

――国内旅行業務取扱管理者の資格は鉄道業界でも必須の資格ですか。

旅行業界ほど重視されるわけではありませんが、関連資格には違いありません。

それに、就職活動を有利に運ぶには、アピールできる学生時代の成果が必要です。なかでも専門学校の場合は業界や業務に直結した知識やスキルが問われますから、その証となる資格取得実績が重視されます。社会的に評価の高い資格を履歴書に書くことができるなら、それだけでアピールポイントになります。また、そういった資格を取得したということは、目標に向かって取り組み、達成した証でもあります。

鉄道交通ビジネスコースでは、国内旅行業務取扱管理者のほか、業界を越えて求められる販売士と日商簿記の資格取得を目指す科目を配置したカリキュラムを編成しています。

――在学中の取得実績は上がっていますか。

現時点で在学生が受験できた資格試験は、簿記、電卓、国内旅行業務取扱管理者試験です。全国的に見た国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は例年30%前後。鉄道交通ビジネスコースの学生は、4月に入学して、簿記、電卓を2か月間学習し、その後約3か月間で国内旅行業務取扱管理者試験に向けての学習を行います。国内旅行業務取扱管理者試験では、全国平均の約2.5倍の合格実績を残すことができました。

《つづく》

「鉄道交通ビジネスコース」の履修時間割(横スクロールしてご覧ください)

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