第12回 vol.2

鉄道交通ビジネスコース【2年制】
(後編)


大原簿記学校
(東京都千代田区)
※学科・コース名称、カリキュラム、役職名などは取材当時のものです
更新:2009/01/13
全国から入学者を集める東京の専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカキュラムに迫ります。今回は大原簿記学校(東京都千代田区)を訪ね、同校の鉄道交通ビジネスコース担任の石川享先生に、カリキュラムの中身を聞いています。

——勉強法、指導法に何らかのノウハウがあるのでしょうか。

勉強法に特別なノウハウがあるわけではありません。ただ、当面の目標資格を定め、集中的に勉強するように指導しているので、それがノウハウといえるかもしれません。

入学早々に将来の目標をしっかり持たせ、目標達成に向けた在学中のステップを示します。この場合の目標とは、もちろん就職です。そしてステップとして提示するのが資格です。簿記も、電卓も、国内旅行業務取扱管理者試験も、並行的に取り組むのではなく、特定の期間を特定の資格の学習に当てるわけです。国内旅行業務取扱管理者の好結果は、3か月間をその学習期間と定め、集中的に取り組んだからだと思います。

また、大原にはこれまでに残してきた高い就職率があります。ほかのコースで学んで鉄道会社に就職した卒業生もいて、その中には車掌や運転士として活躍している先輩もいます。こういった実績が、学生のやる気を促す要因になっているのだと思います。

——途中で目標が変わった場合はどうなりますか。

学びの過程で興味の対象が変わった場合は、時期を見てコースを変更することも可能です。しかし、その前に、その学生が本当に心変わりしたのか、きちんと見定めなければなりません。少なくとも入学するまでは、鉄道や旅行に興味を抱いていたわけです。それをあきらめるということは、何らかの理由があるはずです。

将来の目標が変わったことが理由ならいいのですが、ちょっとした挫折とか、自信をなくしたことを理由に他コースに移っても、移った先で同じことを繰り返さないとも限りません。

途中でくじけそうになった学生を見逃さないで、その都度フォローしていくのは、今日の学校の務めだと思います。自信をなくしたり、意欲が薄れたりしてくると、学生は、休みがちになったり遅刻が多くなったりします。そんな学生がいたら、担任がすかさず電話して登校を促し、将来の目標を再確認するなど、意欲の喚起に務めています。

——就職活動の時期が早まり、2年生になると早々に内定する学生もいると思いますが、内定者に対してはどういう指導がなされるのでしょうか。

就職先が内定した学生に対しては、プレキャリア・プログラム(PCP)という大原独自の教育プログラムを実施しています。これは、内定先の業務や職務ごとに取り組む、コースを越えたプログラムです。たとえば販売や経理、あるいはコンピュータ関連業務などに分かれて専門知識や実務スキルを学び、即戦力としての力を身につけます。この教育プログラムは多くの企業から高く評価されていて、それが、毎年の求人と就職率の高水準を維持する要因にもなっています。

Reporter's NOTE(鉄道交通ビジネスコース)

トンチンカンな質問をしてしまいました。冒頭の「電車の車掌や運転士を養成するコースなのですか?」のことです。

電車の運転士は、国家試験の動力車操縦者試験を受験して、甲種電気車運転免許を取得した者だけがなれる職業です。その受験資格は年齢制限(20歳以上)のみの規定ですが、技能試験があるので、現実的には専門の訓練を受けていないと合格できません。そして、その訓練を行う動力車操縦者養成所(施設)は鉄道会社が開所しています。

まずは鉄道会社に就職することが前提。一定期間の駅員勤務を経験すると、車掌や運転士への社内登用試験にチャレンジするチャンスが与えられます。専門学校に限らず、大学であっても、卒業することで電車の運転士になれる学校などありません。

今回訪ねた大原簿記学校の鉄道交通ビジネスコースが、鉄道会社をはじめ、旅行会社などへの進出を目的としたコースであることは本文の通りです。石川先生によると、学生の志望進路は鉄道関連が7割、旅行関連が3割とのことでした。特に旅行会社では国内旅行業務取扱管理者の資格が高く評価されます。また、鉄道会社を経営母体とする旅行代理店もあります。

ちなみに、JR東日本の2010年度採用においては、専門学校卒業者は現場部門を意味するプロフェッショナル採用のオープンエントリー枠が用意されていて、そこにはもちろん、駅係員、乗務員(車掌・運転士)も含まれます。

■大原簿記学校
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