ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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第14回 vol.1

2009-07-06UP

環境・バイオ科
(前編)


日本工学院専門学校
(東京都大田区)

第18回 音楽総合アカデミー学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第17回 スポーツ栄養コース(栄養士科)
vol.1 前編

vol.2 後編

第16回 特殊造型専攻(メイク学科)
vol.1 前編

vol.2 後編

第15回 国際ホテル学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第14回 環境・バイオ科
vol.1 前編

vol.2 後編

第13回 ドッグトレーナー学科
vol.1 前編

vol.2 後編

第12回 鉄道交通ビジネスコース
vol.1 前編
vol.2 後編

第11回 製菓・カフェ経営科
vol.1 前編
vol.2 後編

第10回 薬業科
vol.1 前編
vol.2 後編

第9回 1級自動車エンジニア科
vol.1 前編
vol.2 後編


『キーワードで探る専門学校のカリキュラム』(全20回)
雑誌「ドリコムアイ」に掲載された記事をPDFファイルでご覧いただけます。

 全国から入学者を集める東京ならではの専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカリキュラムに迫ります。

 今回は日本工学院専門学校(東京都大田区)の環境・バイオ科。環境もバイオも、どちらも現代社会のキーワードですが、就職と直結していることがセールスポイントの専門学校としては、少し間口が広い感じがします。そこではどのようなカリキュラムが編成され、社会のどの分野に卒業生を送り出しているのでしょうか。環境・バイオ科長の福田守先生に聞きました。

――2009年度の新設学科ですか。

 環境・バイオ科としての学生募集は2009年度がはじめてですが、新設というわけではありません。2008年度までバイオテクノロジー科のもとに開設していた化粧品、環境、医療、食品の4つの専攻を蒲田校と八王子校に分割。化粧品と環境にまつわるカリキュラムを環境・バイオ科として蒲田校で、医療と食品の要素は八王子校の応用生物学科の中で学べるようにリニューアルしました。

 環境・バイオ科の生い立ちをたどると、1972年開設の公害工学科までさかのぼります。公害問題が深刻だった当時、公害防止管理者の育成を目的に立ち上げられた学科です。それが後に環境科学科となり、バイオニクス科、バイオテクノロジー科を経て今日にいたりました。


▲環境・バイオ科長 福田 守先生

――公害防止管理者育成に向けたカリキュラムは、環境・バイオ科に引き継がれているのでしょうか。

 環境・バイオ科には「化粧品バイオ」と「環境バイオ」の2つのコースを設置しています。公害防止管理者の資格はどちらのコースに在籍していてもめざすことができますが、カリキュラムとの結びつきが深いのは、やはり環境バイオコースですね。このコースでは、大気や水質などを測定・調査する実習を通して、その手法や機器の使い方、そして分析法を学ぶことができます。蒲田校の近くを流れる呑川(のみがわ)の水質浄化を目的にした産学協同プロジェクトに参加した実績もあります。

 36年を超える実績のあるコースですから、卒業生のなかには、環境調査などを請け負う企業の幹部社員として活躍する者も少なくありません。就職先とは、すでに太いパイプで結ばれています。
 環境への対応は、世界の、なかでも先進国の務めです。アメリカもグリーン・ニューディール政策で変わろうとしています。日本においても、これまで以上に取り組みが進むことでしょう。この先、環境問題の最前線で調査・分析・評価をする技術者に対する需要は、ますます高まるのではないでしょうか。

――化粧品バイオコースの進路はどうでしょう。

 化粧品メーカーで、その研究や開発に携わっているスタッフの多くは、修士以上の大学院卒業者がほとんどというのが現実です。しかし、日本工学院では、バイオニクス科のころから化粧品をカリキュラムのひとつの柱に据え、「皮膚科学」などの科目を開講し、「化粧品製造」や「化粧品分析」といった実習にも取り組んできました。また、2007年にはオリジナル化粧品を開発する学生プロジェクトを立ち上げました。

 そんな積み重ねもあってか、近年では大手化粧品メーカーの研究・開発、あるいはリサーチ部門に学生を送り出しています。

 学生を受け入れてくださった化粧品メーカーを追跡調査したところ、各種の機器の取り扱いに馴染んでいて、意欲もあると高い評価をいただきました。

 学内には高速液体クロマトグラフ、ICP発光分光分析装置、ガスマトグラフ(註:参照)といった、メーカーの研究・開発部門や、専門企業の調査部門と同様の高性能分析機器を備えています。また、化粧品会社の製造部門でクリームや乳液をつくるために使われているホモミキサーという装置もあります。

――プロジェクトでは開発から製品づくりまで体験できるのですか。

 市販こそしていませんが、すでに「KneecH(ニーチェ)」というブランドの化粧品を製品化しています。プロジェクト初年の2007年に10代後半から20代前半の女性に合う化粧品というコンセプトを決め、スキンローション、スキンミルク、ボディエッセンスを開発して製造。2年目の2008年には高校生を対象にモニター調査をして、特に香り成分に改良を加えました。その製品は体験入学などのイベントで配布しています。

 これまでは2年生によるプロジェクトチームでしたが、2009年からは、1年生も参加できるプロジェクトにして、その製品ラインナップを含めて仕切り直すつもりです。最近は就職活動の時期が早まる傾向にあります。1年生のうちから開発に取り組んでいれば、それを就活でアピールできますからね。


註:
【高速液体クロマトグラフ】
液体中に含まれる微量成分の分離・分析や目的成分の分取精製を行う機器。高速液体クロマトグラフは難揮発性化合物や熱に対して不安定な化合物の分析に適している。

【ICP発光分光分析装置】
おもに半導体や環境試料などに含まれる極微量元素の分析に用いる装置。雨水・河川水などの環境試料に含まれる微量元素の検出・分析に適している。

【ガスマトグラフ】
複雑な化合物の分離分析を行う機器。石油精製、香粧品、ファインケミカル製品などの研究や品質管理などの研究、品質管理、環境分析などに用いる。



取材・構成:田中俊亘(教育ジャーナリスト)


■日本工学院専門学校
http://www.neec.ac.jp/index.html