第18回 vol.1

音楽総合アカデミー学科【4年制】
(前編)


尚美ミュージックカレッジ専門学校
(東京都文京区)
※学科・コース名称、カリキュラム、役職名などは取材当時のものです
更新:2010/07/12
全国から入学者を集める東京の専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカリキュラムに迫ります。
音楽総合アカデミー学科の誕生は2007年4月。尚美ミュージックカレッジ専門学校(文京区/当時・専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美)が、上級コースとして開設していた芸術表現アカデミー学科を改組して生まれた4年制の学科でした。音大と同じ修業年限を使って、どのようなカリキュラムを展開しているのか。完成年度を迎えた今年、同学科科長の山本正壽先生に尋ねました。

——4年制の音楽系専門学校……音楽大学とどう違うのでしょう。

「演奏力を高める」ことが目的なら、大学も専門学校もありません。4年という時間を使って集中的にトレーニングすれば、相応の技能が身につくでしょう。けれど、専門学校に入学してくる学生の目は、その先を見つめています。彼らの目線の先に映っているのは、たとえばプロの演奏家。音楽を「仕事」にしたいと思っています。

でも、音楽を仕事にするにはどうしたらいいのか……技能は当然の裏づけです。その技能が人に認められないことには、仕事には結びつきません。

彼らが求めているのはチャンスであり、チャンスを生かすノウハウや経験値ではないでしょうか。

尚美ミュージックカレッジ専門学校には、85年におよぶ音楽教育を通じて培ってきた音楽業界との太いパイプがあります。また、4年制の音楽総合アカデミー学科には「音楽ビジネス」「ヴォーカル」「鍵盤」「管弦打楽器」「ジャズ・ポピュラー」「作曲」の6コースがあり、加えて2年制学科が12もあります。この組織力を生かせば、個人レベルでの努力ではとても及ばないチャンスをつくり出すことも可能。そこから仕事に結びつくチャンスが生まれます。

就職という言葉に馴染まない音楽の世界ですが、やはり専門学校である以上、職や仕事を意識しないわけにはいかないし、学生もそれを望んでいます。どこまでも職に結びつけたカリキュラム、そこが大学との大きな違いではないでしょうか。

——どのようなチャンスがあるのですか。

たとえばポピュラーミュージックのジャンルでは、音楽業界の関係者を集めたオーディションを学内で開いています。そのステージに立つのは、学内のオーディションを通過した学生たちで、ソロだけでなく、学科やコースの枠を超えて組んだユニットやバンドで演奏してもかまわないし、たとえば作曲コースの学生に楽曲を提供してもらってもかまいません。そのため、演奏者だけでなく、作曲者として関係者の目にとまる可能性もあるわけです。

プロの指揮者がタクトを振るピアノコンチェルトに出演するチャンスもあります。こちらは鍵盤コースや2年制のピアノ学科の学生が目指すステージですが、そのオーケストラは管弦打楽器やジャズ・ポピュラーなどを学ぶ学生たちが務めます。いずれも学内選抜を勝ち抜いた者が演奏します。

学外のホールを借り切った定期演奏会やコンサートの機会も多彩。これらで演奏した実績が、自分をプロデュースする経歴になることはいうまでもありません。

また、学内には「D-MAC Records」というインディーズレーベルがあって、そこからCDを出すチャンスもあるし、「SHOBI NET-TV」( http://www.shobi.tv/ )というインターネット放送局では学生の作品や演奏、活動の発表も行っています。

——在学中に学外のオーディションを受ける学生もいるのではないでしょうか。

デビューにはオーディションがつきものですから、学外であっても、積極的に受けるように奨励しています。ただし、受ける前に報告するように指導もしています。なかには営利目的の、質の悪いオーディションもありますからね。

《つづく》

■尚美ミュージックカレッジ専門学校

▲山本 正壽 音楽総合アカデミー学科長

Lineup