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学校生活
~学校ありきの高校生~


工藤 啓
更新:2007/09/18

私は、学校へは行くものだと考えていました。眠い、疲れている、シンドイと、学校へ行きたくない理由はたくさんあるのだけれど、それでも病気や怪我などでなければ、何だかんだで通学していました。

先日、高校生の進路などについて研究されている、独立行政法人労働政策研究・研修機構の堀研究員に大変興味深いお話を伺いました。学生には「向学校」「反学校」「脱学校」の3つのタイプがいるそうです。

寝ているときもありましたが、授業には参加している。部活動や文化活動にも参加していた私は、「向学校」のタイプです。毎日、学校へ通うことが「日常」であり、それ以外の選択肢など、考えることもしませんでした。

一方、学校へは来るものの、授業に出なかったり、規則を破った服装や行動を取ったりする友人もいました。いわゆる、「反学校」タイプの若者です。授業を受けないのであれば、学校に来る必要はないと思われるかもしれませんが、彼ら/彼女らにとっても、学校へ通うことは「日常」であり、おそらく、それ以外の選択肢を広く持っているわけではなかったのだと思います。もしかしたら、勉強に関心はなくとも、学校という社会の場は好きであったのかもしれません。そこに行けば、友人にも会えますし、先生などともかかわりを持つことができます。

学生にとって、学校とは勉強や部活動のためだけの場所ではなく、一つの“社会的な居場所”として機能しているのかもしれません。だからこそ、学校とは無条件で行くべき場所だという認識が生まれるのではないでしょうか。学校もまた、生徒を褒めたり、怒鳴ったりと、勉強以外の部分でも、生徒とかかわるという機能を有しているからこそ、多少の規則違反があったとき、しっかりと指導したり、時には目をつぶったりするのでしょう。

そのような場所だからこそ、学生の生活は「学校ありき」で成立していたのだと思います。しかし、最近では、学校ありきでない学生が、高校の現場で目立つようになってきているようなのです。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1