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学び直しの取り組み
~学び直しのニーズ~


工藤 啓
更新:2010/10/12

私は、18歳以上の中退経験者や社会参加を目指す若者に「学び直し」についてのヒアリングをしました。彼ら/彼女らが「学び直し」と聞いて何を思い、どのような学習機会を求めているのかを知りたかったのです。

大変興味深かったのは、学び直したい内容よりもその理由にありました。以下、ニーズの大きかった内容とその理由を挙げてみます。

●国語/漢字習得
履歴書を書きあげる際にきっちりとした漢字のとめ、はねを学習したい
履歴書に「漢字検定」を記載することにより少しでも空白を埋めたい

●英語/コミュニケーション
外国の方に道を聞かれたときにちゃんと道案内がしたい
海外旅行をしてみたいのだが、英会話への不安を取り除きたい

●数学/各種
学校の授業でついていけなかった過去を清算したい
数字や計算への苦手意識を取り払いたい

国語や英語という教科名は予想できましたが、意外にも数学への「学び直し」ニーズが高いことに驚きました。数学の授業についていけず成績も下がる。問題が解けないから放り投げてしまう。そんな過去の自分への“リベンジ”の意味合いもあるようです。さらに、彼ら/彼女らにとって“勉強ができる”ことと、“数学が得意/数字が苦にならない”ことは同じような意味を持ちます。「学び直し」というと、とかく苦手な教科に注視しがちですが、「学び直し」を欲する若者の声を聞くと、何が本当に必要とされているのかがわかります。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1