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つながりのきっかけ
~その場で印象を残す~


工藤 啓
更新:2012/02/20

講演会でお話をさせていただくときや、学校で登壇させていただくときをきっかけに、つながりを持って、そこからプライベートでのお付き合いや、仕事をご一緒させていただくことがあります。これまで赤の他人として生きてきたもの同士が、ちょっとしたきっかけで既知の仲になるわけですから、人生なんとも不思議なものです。

そうは言っても、一会場数百人という場合に、講師ひとりがすべての来場者とつながるかというと、なかなか物理的には難しいのが実情です。そのなかでも、会場にいるたくさんの来場者のひとりとして埋もれることなく、講師とつながりをつくる若者がいるのです。

もともと、主催者やイベント担当者とのつながりを持っていて、そこからさらに紹介を受けてというケースは別に、その場で講師とつながれる若者と、そうではない若者は何が違うのでしょうか?私は、限られた時間のなかでいかに“その場で印象を残す”若者とつながることが多いです。

私は、講演会でたくさん話をされる方からこういう話を聞きました。

「何百人も会場にいるとき、最も参加者とコミュニケーションをとれるのは質疑の時間です。ただ、100人からご質問を頂戴しても全員は覚えられません。強く印象に残るのは“一番いい質問をくれた方”と“一番に質問してくれた方”です」。

私は自分が「一番いい質問をすることは難しい」と考え、とにかく会場質問の際には最初に手を挙げるようにしました。すると、講演会が終了した後、ご挨拶に行くと講師が私のことを覚えてくださっていて、そこからつながりが生まれいまも関係が継続している例はたくさんあります。

また、自分が前に立つことが増えて実感したのは、留学していた米国とは異なり、なかなか会場からの質疑で最初に手を挙げる方が少ないな、ということです。だからこそ、勇気をもって手を挙げてくださる若者のことは強く印象に残ります。一番よい質問をすることは容易ではありませんが、一番に質問することは勇気があればできます。そして、その勇気がきっかけとなってよいつながりができていくものと思います。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1