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意思表示
~記載がない≠募集していない~


工藤 啓
更新:2012/09/03

大学でお話をさせていただく機会が増えています。テーマも目的もかなり多様になっています。以前は、若者支援の現場で起こっていることや、どんな若者が支援を求めているのかというものが圧倒的に多かったのですが、最近は、NPOの運営経営、行政や企業とのパートナーシップというものから、(経営者として育休を取得してからは)イクメンやワークライフバランスといったテーマもいただきます。

そのなかでも、育て上げネットについての活動を紹介すると、活動内容に強く関心を持ってくれる学生がいます。毎年1名から10名とバラつきはあっても、私たちの組織には、多くの志ある学生がインターンシップを通じて、社会問題の解決に価値提供し、また、自らの成長につなげています。

実は、育て上げネットのWeb Site(http://www.sodateage.net/)には、大学生に向けてインターンシップの募集について記載していません。特別な理由があるわけではないのですが、これまでも興味や関心のある学生はお問い合わせのページを経由して、または、ソーシャルメディアなどを使ってアクセスしてきました。それなので“そういうものだ”という認識を持っていたのです。

しかし、最近になって複数名から「インターンシップ募集のページがネットで検索しても見つからなかったのですが、いまは募集されていないということでしょうか」という趣旨のご連絡をいただきました。私のなかでは、「募集サイトがない」ということと「募集していない」がリンクしていなかったのです。

学生のインターンシップに詳しい知人が教えてくれたのは、インターンシップに関心がないとか、行動力に乏しいということではなく、“直接問い合わせる”ことが苦手でコンタクトのハードルがとても高いということでした。NPOに限ったことではありませんが、社会課題の解決に関心がある素晴らしい学生の行動を促進するためにも、「あなたの力を求めている」ことをしっかりと伝えていく手段を整える必要があるようです。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1