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アルバイトの選び方
~価値を高めていく~


工藤 啓
更新:2013/06/03

どんな契約形態で働いていても、長期のキャリアを作っていくときに大事なのは、自分という価値をそこで高めていくことです。最初は誰でも一から教えてもらっていくわけですが、与えられた業務を精一杯こなしていくことがスタートになります。もちろん、初めから素晴らしい提案や画期的な方法を生み出せるにこしたことはありませんが、まずは目の前のことを丁寧に、一生懸命やることが大切です。

私も大学の頃、たくさんのアルバイトをやりました。みずからのキャリアを長期視点で形成しようとしていたとはお世辞にも言えませんが、自分なりに目標にしていたのは、「どうしたら職場のアルバイトスタッフのなかで一番高い時給をもらえるようになれるか」でした。

お金がたくさんほしかったというより(いや、あるに越したことはないのですが)、時給があがることは、職場での自分の価値が認められたことであり、より社員に近い仕事をさせてもらえるということです。そうでない職場もありますが、アルバイトを選ぶときには、ちゃんと価値に応じて時給があがったり、任せてもらえる業務が変わる場所かどうかを基準にしていました。

実際に働いてみないと細かいことはわかりませんが、面接のときは素直に聞きました。アルバイト募集では「時給○○円~○○円」と書いてありますが、店長にどうしたら時給があがるのか。一番高い時給をいただけるようになるにはどういう存在になればいいのかを質問しました。採用するひとだって(お金だけでないにせよ)一生懸命働いてくれるひとがよいわけですから、ほとんどの場合ちゃんと教えてくれました。

長期のキャリア視点、数年後の“ありたい姿”を確認し、そこにたどり着くためにどういう職場をいま選ぶのか。そしてその職場でいかにして自分の価値を高めていくのか。自分が望む条件や職場というのはほとんど存在しませんし、あったとしてもいますぐそこで働けるかはわかりません。だからこそ、少し長い視点で自分の人生を考えて、立てた計画に近い仕事や職場を選ぶことが大切です。前編でも書きましたが、ひとりで考えてわからなくなったら、ぜひ、相談機関に足を運んでみてください。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1