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夏休みの使い方
~会ってみたいひとに連絡してみる~


工藤 啓
更新:2013/07/22

有名な芸能人やアーティストではないけれど、会って話をしてみたい大人っていませんか。本を読んで「こんな視点や考え方があるんだ」と思った著者、twitterでフォローしている辛口コメントが的を得ている研究者、いつも楽しそうに接客している中華料理屋の店員、地域活動の顔役で地元企業の社長など、「自分の悩みを伝えてみたい」とか「どうしてもぶつけてみたい質問がある」大人です。

毎年、夏休みになるとたくさんの学生から会いたいとの連絡をもらうのですが、時折、中学生や高校生もいます。私自身はできる限り時間を作るようにしていますが、「本当に会ってくれるとは思わなかった」と言われることもあります。

学生からすれば、忙しそうな大人が“自分なんかのために”時間を作ってくれるわけがないと思われるかもしれません。一方、有名人でもない自分に学生から話が聞きたいと言われるなんて思ってもいませんので、連絡を受けた側からすれば嬉しいものです。ちょっとでも役に立てるのであればと、時間を作ろうとするひとの方が多いと思います。

ただし、メールでも、電話でも、ソーシャルメディアでも、スケジュールを空けようと思えないこともあります。純粋に多忙であること以外にも、「なぜ」会いたいのかがわからない。「何のために」「何を」話したいのかが見えない。そもそも連絡をくれたひとが「誰」なのかがわからないことすらあります。特に氏名も学校名も書いていない場合は、スパムではないかと疑ってしまうこともあります。

そのため最低限のトーン&マナーには配慮すべきですが、この夏休みに思い切って連絡してみてはいかがでしょうか。社会人の場合、日程調整で1ヶ月先になることも普通にあります。早ければ早いほど時間も取りやすくなります。普通だと土日祝日しか使えなくても、夏休みは平日も候補にすることができます。

私も、高校時代に出会った学生といまも連絡を取り合いながら、時々、会って話をします。大学生活や就職した先のことを教えてもらうとともに、私もまたいろいろと質問したり、“いまどきのワカモノ”の考え方を勉強させてもらっています。

連絡をしても必ず会えるとは限りません。有名なひとになればスケジュールそのものが空いていないこともあります。また、数え切れないほどの学生から連絡が来ているかもしれません。しかし、会えるかどうかを決めるのは相手側であり、そのための第一歩はあなたしか踏み出せません。私自身は、実際に会ってもらえることが一番ですが、そのためのアクションを自らが起こせた、ということそのものに大きな価値があると考えています。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1