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もし自分だったらどうする?
~選挙権があったら誰に投票しますか~


工藤 啓
更新:2014/12/15

「これから先の時代を生き抜いていくために必要な力とは何か」という問いに対して、リーダーシップ、コミュニケーション能力、物事を論理的に考える力などが挙げられます。情報やデータを扱う力やプログラミングの技術と答えるひともいます。思いやりや共感能力が大切であるという意見もあります。もちろん、言うまでもなくどれも重要な力です。今回は「想像力」について考えてみたいと思います。

この原稿は高校生に向けて書いているため、12月14日に投開票が行われる第47回衆議院議員選挙に投票ができるひとはほとんどいないと思います。この原稿が掲載されるときにはすでに結果が出ていると思いますが、これまでにないほど国民の関心を集めていないと言われています。

有権者ですら関心が薄いのですから、選挙権を持っていない高校生が強く興味を持って選挙について情報を獲得したり、友人と議論したりするのは稀ではないでしょうか。

私の友人は、「未成年模擬選挙」(http://www.mogisenkyo.com/)という取り組みを行っています。いまは選挙権のない未成年者を未来の有権者と捉え直し、少しでも政治や選挙に関心を持ってもらうと言うものです。

もし自分が有権者であったらどうしますか。自分が住んでいる地域の立候補者の誰に、どのような理由で投票しますか。あなたの大切な一票に何を託しますか。私の周囲にも選挙に関心がある友人とそうでない友人がいます。前者の友人とはいろいろ意見交換をします。後者の友人には、日本社会の未来を考えてもいいし、家族や子どもの生活を豊かにするためでもいいので、とにかく投票に行こうと誘います。

20歳になり実際に投票が可能になってから政治や選挙について真剣に考えるひともたくさんいると思いますが、私の周囲を見回すと、普段から身近なことや、今回の選挙のように国を左右することまで、「もし自分だったらどうするだろうか」と想像力を働かせているひとが熱心に考えたり、情報を交換しているように感じます。20歳になっていきなり性格や行動が変わったというようには見えません。

さて、今回の選挙に投票することのできないみなさんはいかがでしょうか。自分ひとりで、または、友人や家族、先生や身近な大人と選挙について少しでも話したり、考えたりしたでしょうか。現時点では結果がわかりませんが、今回の選挙は過去に例のないほど投票する有権者が少なくなるのではと言われています。国の行く末を決めることに参加しない大人がこれだけたくさんいる国を想像してみてください。きっとみなさんは投票所に向かう有権者になろうと思うはずです。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1