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自治会活動
~地元自治会の班長になってわかったこと~


工藤 啓
更新:2015/04/06

いまの地域に住み始めて四年が経ちました。引っ越ししてからずっと自治会には加入していましたが、遂に四月から「班長」として十数の世帯を管轄する「班長」になってしまいました。

「なってしまった」というのは、住民の自主的な組織なので会長でも班長でもやりたいひとが率先してやっていけばいいことですし、やりたいひとがいない場合は話し合いを通じてその役割を担うひとを選出するのが自主的な組織だと思うからです。

しかし、私が担うことになった「班長」は持ち回り制になっており、遅かれ早かれ誰もが順番にやらなければならないルールになっています。その地域には地域のやり方があると考え、引き受けました。引き受けないという選択肢はないのですけれど。

今年度の班長と次年度四月から班長になるひとが集まり、引き継ぎを行う会合がありました。会場は満員で、自治会役員はかなり年配の方ですが、班長は30代から60代くらいまでと幅広く、私の子どもが通う保育園で知り合った知人もいました。

そこで初めて気がついたのは、小さい頃、楽しみにしていた地元のお祭りや運動会「火の用心、マッチ一本火事の元」でおなじみ歳末パトロールなどは、この自治会(町内会という名称のところもあるようです)が関わり、そこに集う大人たちによって作られていたということです。

他にも、一人暮らしの高齢者や障がい者の見守りも自治会の役割です。日本語がうまくできない外国人または外国にルーツがある家庭が孤立しないよう、積極的にコミュニケーションを取っているのも自治会の仕事だと言います。

正直、「班長なんて面倒だな」くらいにしか思っていなかったのですが、改めて自治会という組織が担っている地域機能を考えると、自分自身が小さい頃から多くの経験をし、大人たちに見守られているような「空気」や「雰囲気」は、本当に一人ひとりの大人が忙しい時間を削り出し、地域のために活動することで成立していたものであることを知りました。

私自身は、中学生くらいから地域の活動に参加するわけでもなく、ましてや高校生、大学生になると「地元」を意識することもなくなり、たまたま実家がある地域を「地元」と呼ぶひとがいるくらいにしか考えませんでした。しかし、自治会のみならず、地域の自主組織に深くかかわることになって初めてわかったことがあります。

それは、いざというとき自治会活動にまったく参加してないひとは何事も不利になりやすい。フリーライドは許されない構造ができているということです。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1