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学校の機能を利用しよう
~キャリアガイダンスの使い方~


工藤 啓
更新:2015/07/06

いま、年間で100校くらいの高校とかかわりを持っています。ロングホームルームや家庭科の時間などをいただいてセミナーを開いたり、定期的に高校内で生徒の進路や生活の相談を受けたりしています。

私が高校生であった20年前、いまのように学校関係者ではないひとたちが教室や体育館でセミナーやガイダンスをすることはほとんどありませんでした。就職にせよ、進学にせよ、進路が多様化するなかで、学校と社会がより強く協力体制を作り、生徒のためにできることをみんなでしていこうという流れができています。

学校では、進路講話、キャリアガイダンス、進学セミナーという名称で、外部から大人が話に来る機会があると思います。企業人、大学教授、NPO団体やボランティアの方など、日常生活では直接的にかかわることのないひとたちが話に来られていると思います。

このよう外部者の話を聞けることも、いまは学校機能のひとつになっています。通常は、先生方が生徒の様子や年次、進路希望状況を考えて、どのようなひとに来てもらうのかを決めています。

しかし、先生方もどのようなひとに声をかけようかとても悩んでいます。それは生徒一人ひとりの希望も悩みもバラバラですし、生徒全員が「これだ!」と思うようなテーマなど存在しないからです。

そこでキャリアガイダンスのような学校機能をうまく活用するため、生徒自身が知りたいこと、聞きたいこと、理解したいことを先生に伝えてはいかがでしょうか。友人数名で意見をまとめてもいいと思います。ひとつの参考意見であっても、生徒のためのガイダンスを考える上で、生徒からの声は先生にとって大変貴重なものです。

実際、学校からも生徒の希望を集約した依頼が入ります。生徒が話を聞いてみたい職業人のリストがあり、私たちがリストアップされた職業の方に声をかけて、学校で話をしてもらいます。プロスポーツ選手、看護師、美容師、エンジニアなど、本当にさまざまです。また、卒業後の進路がどのようなものであっても前向きに暮らしていけそうなことを話せる“変わった大人”という要望もありました。

学校も私たちのような外部者も生徒のために最大限努力をします。だからこそ、生徒の希望が知れることは本当に大きなことなのです。もし、「自分はこんなひとの話を聞いてみたい!」という考えがあれば、進路指導担当の先生をつかまえて希望を伝えてみましょう!

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1