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夏休みのひととき
~子どものいない夜の意味~


工藤 啓
更新:2017/07/24

前回、6月の一か月を使って、さまざまな事情を抱える子どもたちの合宿型キャンプのために多くのひとが応援してくれた、ということを書きました。

“夏休みを楽しめない子どもたち”にとびきりの田舎体験を届けたい!
− CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/30647

小学生や中学生の子どもたちがひとつでも、ふたつでも夏休みに楽しかった思い出ができるよう、子どもたちとともにキャンプを企画、実行していきます。旅行経験や外泊機会のなかった子どもたちにとって、今夏のお休みは何が起こるのだろうかとドキドキしているかもしれません。

さて、子どもたちが自宅を離れて外泊するということは、自宅に子どもがいなくなるということでもあります。普段、自宅に帰れば保護者がご飯を準備してくれていますか。掃除や洗濯は誰がしていますか。子どもたちを残して夜に外出する保護者は、仕事などを除けば、あまりないと思います。つまり、子どもが自宅にいれば、保護者も自宅にいることになります。

しかし、子どもが合宿型キャンプにでかける数日、自宅には子どもが不在となります。いつもの家事や炊事は少なくなり、少しだけ自分の時間を持つことができます。ゆっくりすることもできますし、やりたかったけどできなかったことに時間を充てることもできます。夫婦だけで外食に出かけるかもしれません。

もちろん、この原稿を読まれる高校生であれば、たまには保護者のいない夜の時間を楽しみたい、ということもあるでしょうし、両親が不在でも大丈夫と思われるかもしれません。しかし、小中学生ではそうはいきません。本当に何かあったあら自分を守ることができないからです。

実際、キャンプに参加する子どもたちにそのようなことを伝えることはありません。ただ、私たちの想いには、子どもたちに夏休みを楽しく過ごしてほしいということのほか、たまには保護者の方々にもゆっくりとしてほしい、ということも入っています。

物事にはわかりやすい価値と、その後ろに隠れた価値があります。そういったところに気づけるひとの存在に、私たちのような活動は支えられています。

■ “夏休みを楽しめない子どもたち”にとびきりの田舎体験を届けたい!
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1