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昨年度くらいから、高等学校での講演・講座が極端に増えています。大抵のお題目はニートやフリーターについて、高校生に説明をしたり、実情を伝えたりするものです。予想以上に、先生方の聴講も多く、いつも緊張しながらやっています。
壇上にあがり、一方的に話をするスタイルではなく、壇上にいる自分と、フロアー担当のスタッフで、各生徒に質問をしたり、答えてもらったりしながら「参加型」でやっています。あまり小難しい話をしてもわかりにくかったりもしますので、ニートやフリーターのメリット、デメリットを基本に講座を進めています。
進学希望者であっても、就職希望者であっても、また、どちらでもなくても、さまざまな質問に答えてもらう間に、高校生の知識や意識がわかってきます。フリーターのメリットとして、彼ら/彼女らがあげるのは
(1) 自由に時間を使える
(2) 働いた分だけ給料をもらえる
(3) やりたいことが見つけられる
の3点が多く、あまりデメリットについては反応がありません。その場で感じるのは、フリーターと言っても、さまざまな形があるにもかかわらず、自分にとって比較的“都合のよい”部分だけを知識として吸収し、イメージを膨らませている傾向にあります。
私は、フリーターそのものを否定していません。むしろ、高校生に話をするときには肯定して話すことが多いかもしれません。ただし、そこで忘れずに伝えているのは、“フリーターの実情(デメリット)を知ったうえで、自分にとってフリーターという働き方にメリットがある場合”であれば、ということです。
学校では、何をさて置いても「フリーターはダメ」となりがちですが、一方的にダメ出しをしても、彼ら/彼女らが持つイメージに現実を植えつけるのは難しく、だからと言って、一方的に肯定するにはさまざまな意味でリスクが大きく伴います。
講座の目的が「安易にフリーターにならないこと」であっても、50分という限られた時間のなかでできることは、高校生が「フリーターになることって、リスクもあるのか?」と疑問を持つことぐらいであり、それができれば50分という貴重な時間に対する時間対効果もあるというものです。そのリスクをうまく伝えることが難しいわけです。
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工藤 啓
くどう けい
特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)

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