16-1

2007-10-22UP

若者とITを考える(1)


工藤 啓

27 学校を辞めるということ
27-1 学校を辞めるということ(1)
27-2 学校を辞めるということ(2)

26 インターンシップへの期待
26-1 インターンシップへの期待(1)
26-2 インターンシップへの期待(2)

25 キーワード
25-1 キーワード(1)
25-2 キーワード(2)

24 大人社会を読む
24-1 大人社会を読む(1)
24-2 大人社会を読む(2)

23 働き始めた若者
23-1 働き始めた若者(1)
23-2 働き始めた若者(2)

22 日韓にみるワカモノの実情
22-1 日韓にみるワカモノの実情(1)
22-2 日韓にみるワカモノの実情(2)

21 大切なのはポジショニング
21-1 大切なのはポジショニング(1)
21-2 大切なのはポジショニング(2)

20 シンユウがたくさん
20-1 シンユウがたくさん(1)
20-2 シンユウがたくさん(2)

19 大人への通過儀礼を考える
19-1 大人への通過儀礼を考える(1)
19-2 大人への通過儀礼を考える(2)

18 仕事を変えるとき
18-1 仕事を変えるとき(1)
18-2 仕事を変えるとき(2)

17 もう1つの「働く」価値観
17-1 もう1つの「働く」価値観(1)
17-2 もう1つの「働く」価値観(2)

16 若者とITを考える
16-1 若者とITを考える(1)
16-2 若者とITを考える(2)

15 学校生活
15-1 〜学校ありきの高校生〜
15-2 〜学校ありきでない高校生〜

14 心に響く言葉
14-1 〜不真面目に、でも真剣に〜
14-2 〜思い切ってやれ〜

13 講座からわかる高校生とフリーター
13-1 〜フリーターはメリットいっぱい〜
13-2 〜フリーターのメリットは本当か?〜

12 若者が問題なのか
12-1 〜車両内での出来事〜
12-2 〜とある都市での出来事〜

11 現代版生活の知恵
11-1 現代版生活の知恵(1)
11-2 現代版生活の知恵(2)

 この9月から、東京都若年者就業支援プロジェクトの一環で、「若年者IT基礎訓練プログラム」を展開しています。ITといっても、非常に範囲が広いため、“基礎”に限定しています。さまざまなIT関連企業の方に、業界としてはどのような人材を求めているのか、またIT業界の未来はどうか、といったお話を伺い、参考にしながら進めているのですが、正直、社会の反応はいかがなものかと不安でした。しかし、蓋を開けてみると驚きの連続でした。

 事前面接に来る若者のモチベーションは高く、第1期の定員(10名)はすぐに埋まり、予想以上に保護者の理解も得られました。また、IT関連企業の問い合わせも頻繁で、基礎的なところができていれば、あとは自社で育成できるので、プログラム卒業生を是非紹介してほしいという依頼が既に10社を大きく超えています。

 なぜ、これほどまでにITへの関心、期待が高いのでしょうか。参加希望者に話を聞くと、その理由がわかりました。

 フリーターとして生計を立てる27歳の男性は、「ゲームが好きで、一日中やっても飽きない。ただ、いつも自分なりのゲームアイディアがあった。できれば、ゲームをやる側ではなく、作る側の仕事に関心がずっとあった」と話してくれました。

「求人票には、IT経験者とかパソコンができる人と書いてある。聞いてみると『基礎的なことができれば』といわれる。どこまでが基礎かわからず不安だったが、このプログラムのレベルで十分なことがわかり、思い切って受講した」というのは、ひきこもり経験を持つ22歳の男性です。

 日本では、中学や高校のカリキュラムにプログラミングの授業はほとんどなく、専門学校や大学で始めて触れるか、自分で独自に勉強するしかありません。市場にニーズはあるのに、経験する機会はほとんどありません。個人の関心は高いものの、チャレンジするにはハードルが高いようです。だからこそ、“基礎”という言葉に惹かれて来る若者が多いのでしょう。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)