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中学、高校時代、私はずっとサッカー部でした。当時、顧問の先生からよく叱られたのは“ポジショニング”が悪いということでした。自分が任された役割を全うするためには、ボールと対戦相手、そして味方の位置を把握し、的確な“位置取り”をしなければなりません。私はどうもこれが苦手でした。
このときポジショニングに気を使わなければならなかったのは、あくまでも、サッカーにおいて勝つために必要なことだったからです。しかし最近では、サッカーや野球などスポーツ以外でも、ポジショニングが大切になっているようです。たとえば、教室や職場の人間関係を円滑にするうえで、ポジショニングは欠かせない要素なのです。
先日、ある学生と話をしているとき、「工藤さんはポジション取りが上手いですね」と言われました。何のことかわからないでいると、私は場の人間関係を的確に把握し、その場が盛り上がるように立ち振る舞うことが上手いのだそうです。
そのようなことを意識してやっているわけではないと伝えると、それは天性の才能だと言われました。彼は、ある場に集う人間の年齢や性別、関係性を常に意識しながら、自分が取るべき行動、演じるべき“キャラ”を常に意識していると言います。そのようなことを意識する必要性があるのでしょうか。
彼に聞くと、皆、小学校時代からポジショニングは意識しているはずだと言います。とくに難しいのは、クラス替え、小学校から中学校などに進級する際に生まれる、新たな環境で自分がどのような位置取りをしていくべきかを見極めるときだそうです。
リーダーシップを取っていたものがいじられ役に変わったり、場を盛り上げるためにボケ役であったものが、つっこみ役に変わったりと、環境が変われば役割も変化するといいます。
まったく理解できない人もいるかもしれません。しかし、会社組織を考えてみると、役職に応じて思考や行動の変革が求められるのは日常茶飯事です。課長と部長では任される業務内容は当然違ってくるからです。ただ、驚いたのは、それが組織ではなく、学齢期の教室内などでも求められているということです。
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工藤 啓
くどう けい
特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)

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