ドリコムアイ.net…高校生の進路と教育を考えるWebマガジン
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32-1

2009-06-22UP

中学4年生(1)


工藤 啓

42 自分と仕事の関係性
42-1 〜自分の仕事の捉え方〜
42-2 〜3つの「ワーク」〜
41 社会人になりたい
41-1 〜社会人と会社人〜
41-2 〜社会の一員になるには〜

40 自己肯定感の喪失
40-1 〜社会の役に立ちたい〜
40-2 〜自分は人から必要とされていない〜
39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)
38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)
37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)
36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)
34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)
33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)
32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)
31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)

30 働き方を模索する
30-1 働き方を模索する(1)
30-2 働き方を模索する(2)
29 原体験を見る
29-1 原体験を見る(1)
29-2 原体験を見る(2)
28 高校が抱える進路指導課題
28-1 高校が抱える進路指導課題(1)
28-2 高校が抱える進路指導課題(2)
27 学校を辞めるということ
27-1 学校を辞めるということ(1)
27-2 学校を辞めるということ(2)
26 インターンシップへの期待
26-1 インターンシップへの期待(1)
26-2 インターンシップへの期待(2)

25 キーワード
25-1 キーワード(1)
25-2 キーワード(2)
24 大人社会を読む
24-1 大人社会を読む(1)
24-2 大人社会を読む(2)
23 働き始めた若者
23-1 働き始めた若者(1)
23-2 働き始めた若者(2)
22 日韓にみるワカモノの実情
22-1 日韓にみるワカモノの実情(1)
22-2 日韓にみるワカモノの実情(2)
21 大切なのはポジショニング
21-1 大切なのはポジショニング(1)
21-2 大切なのはポジショニング(2)




 高校1年生を対象に授業を行うとき、目の前の学生が“高校1年生”なのか、“中学4年生”なのか分からなくなるときがあります。もちろん、特別な事情を除けば中学校を4年間かけて卒業することはありませんので、中学4年生というのは、高校の1年生課程でありながら、意識は中学3年生のまま、別の校舎で、異なるクラスメートと学校生活を送っている学生という意味です。

 私が“中学4年生”を感じるときは、何も授業開始時に静かにできないとか、ワークシートやアンケートに記述ができないとか、そのような場面ではありません。そういう目に見えることではなく、むしろ義務教育を終え、自らの意思で進学を決定したとは思いづらい、個々人の意識や、教室の空気/雰囲気に触れたときに感じるのです。

 授業を始める少し前に教室に入るとき、私はそこらへんにいた生徒に話しかけたりします。「あなた誰?」的な目線を向けられることもありますが、大半は快く出迎えてくれます。自己紹介をして、若者の自立支援をするNPOの代表であることを伝えると、「何でそんなことをしているんですか?」と聞かれることがあります。

 逆に、私のほうからも質問します。「なぜ、高校に進学したんですか?」「何でこの高校でないといけないんですか?」と。すると、そんなことを聞かれたことがないのか、驚いたような顔をされます。「みんな高校行っているから」「そういうもんだから」「親がうるさいから」といった答えや、「この学校しか行けなかった」「どこでもよかった」「中学の先生に言われた」といった答えもよくもらいます。

 矢継ぎ早に、「別に義務教育終わっているんだし、高校に行かないといけない理由はないのでは?」などと質問をしていくと、“面倒臭い人間”という感じで逃げられてしまいます。この手の質問は、大学生であっても“面倒臭い質問”と受け取られてしまうこともあるのですが、自分が選択した「場」に対しての説明に応えられない若者が少なくない気がします。
 
 そして、私が“中学4年生”を感じるときに思うのは、彼ら/彼女らを“中学4年生”にしているのは、やはり、大人の側の責任なのではないか、ということなんです。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)