32-2

2009-06-29UP

中学4年生(2)


工藤 啓

39 若者はコミュニケーション力がないのか
39-1 若者はコミュニケーション力がないのか(1)
39-2 若者はコミュニケーション力がないのか(2)

38 大学生の就職不安
38-1 大学生の就職不安(1)
38-2 大学生の就職不安(2)

37 価値観は“ソーシャル”へ
37-1 価値観は“ソーシャル”へ(1)
37-2 価値観は“ソーシャル”へ(2)

36 仕事につながるナナメの関係
36-1 仕事につながるナナメの関係(1)
36-2 仕事につながるナナメの関係(2)

35 「働く」が難しい
35-1 「働く」が難しい(1)
35-2 「働く」が難しい(2)

34 就活スーツについて
34-1 就活スーツについて(1)
34-2 就活スーツについて(2)

33 地域の力で自己成長
33-1 地域の力で自己成長(1)
33-2 地域の力で自己成長(2)

32 中学4年生
32-1 中学4年生(1)
32-2 中学4年生(2)

31 若者の不安とひとのつながり
31-1 若者の不安とひとのつながり(1)
31-2 若者の不安とひとのつながり(2)

30 働き方を模索する
30-1 働き方を模索する(1)
30-2 働き方を模索する(2)

29 原体験を見る
29-1 原体験を見る(1)
29-2 原体験を見る(2)

28 高校が抱える進路指導課題
28-1 高校が抱える進路指導課題(1)
28-2 高校が抱える進路指導課題(2)

27 学校を辞めるということ
27-1 学校を辞めるということ(1)
27-2 学校を辞めるということ(2)

26 インターンシップへの期待
26-1 インターンシップへの期待(1)
26-2 インターンシップへの期待(2)

25 キーワード
25-1 キーワード(1)
25-2 キーワード(2)

24 大人社会を読む
24-1 大人社会を読む(1)
24-2 大人社会を読む(2)

23 働き始めた若者
23-1 働き始めた若者(1)
23-2 働き始めた若者(2)

22 日韓にみるワカモノの実情
22-1 日韓にみるワカモノの実情(1)
22-2 日韓にみるワカモノの実情(2)

21 大切なのはポジショニング
21-1 大切なのはポジショニング(1)
21-2 大切なのはポジショニング(2)




 義務教育を終えて、高校への進学を果たした若者のなかに“中学4年生”がいます。それを感じるのは、高校進学の選択が“他立的”である場合です。ただ、自分自身を振り返れば、やはり、“他立的”であったと思います。加えて、「中学を卒業したら高校へ進学するものだ」と疑いなく考えてもいました。私も、しっかりと“中学4年生”を経験していたわけです。

 「なぜ高校に進学するのか」について、当時、明確な答えを持っていなかったと思います。しかし、「なぜその高校なのか」については理由がありました。中学の部活(サッカー部でした)の顧問と何度も相談し、自分の学力で入れる範囲のなかから自分が望み、かつ、顧問から見て、私に適しているだろう部活のある高校を選択したという理由です。

 “中学4年生”が“高校1年生”になるには何が必要なのでしょうか。私は二つあると思います。ひとつは、自分がその「場」にいることを説明できること。周囲が聞いたら「えっ」と思う説明でも、自分なりに腑に落ちていればよいと思います。もうひとつは、その「場」にいられるのは、多くの場合、自分だけのチカラでないことを理解していること。授業料は誰が払ってくれているのか。保護者からの授業料はもちろんですが、税金だって使われています。お金のことのみならず、先生や地域の方々も学校という「場」を支えてくださっているはずです。それが理解できれば、「みんなが行くから」とか、「親が行けといった」などという言葉が簡単には出てこないはずです。

 私は、“中学4年生”という現象は、大人の側にも責任があると言いました。それは大人の側が、彼ら/彼女らに対していろいろな「なぜ」「どうして」を質問することで、自分のいられる「場」への理解を促していないのではないかという疑問があるからです。質問されれば考えます。そのようなきっかけを皆で創り出す、そういう社会を創り出さなければならないのではないでしょうか。



工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。

2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)