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変えようとする勇気
~やってみる~


工藤 啓
更新:2017/05/15

前からちょっとだけ気になっていた事務所の入り口近くにあったシュレッダー。普通の業務用シュレッダーなのですが、ゴミ袋を入れ替える際に小さな紙片がどうしても散乱してしまいます。毎朝、掃除機できれいにしますが、日中にこぼれ落ちてしまったものがそのままになってしまうこともありました。

先日、朝一番で出社したとき、紙片が少し落ちていました。掃除機をかけていると次の職員が来て、「シュレッダーってここにないといけないのかな」という話になり、あそこはどうだろうか、ここを動かしてみたらいけるのではないかと、あーだこーだ言いながらも思いついたことをやってみました。

すると次の職員は、他にも気になっていたところがあり、そこにあった物品を動かし始め、また次の職員も自分の机の周りに“なんとなく”いつもあったものを移動させたいと話しました。シュレッダーを動かし始めてみたところ、次から次へと移動や破棄したいなと考えていた職員がそれぞれアイディアを実行し始めました。

30分くらいしてひと段落すると、ちょっとした空間が生まれたり、仕事がやりやすい環境ができたりしていました。私はシュレッダーの位置を変えてみただけですが、気が付くと事務所が変わっており、後から来た職員は「大きくレイアウトを変えたんですか?」と聞くほどです。

シュレッダーの紙片ゴミは、なんとなくみんな気になっており、そこに手を付けてみたところ、日ごろから気になっていたところを片付けたり、動かしたりしてみる空気が生まれ、結果として事務所が(一部ですが)変わりました。

レイアウトを大きく変更しようと思ったわけでもなく、環境整備を大々的に行おうとしたわけでもありません。ただ、ちょっと気になっていたことをやってみたところ、その輪が広がり、結果として大きな変化が生まれたということです。意図的かそうでないかは別にして、何かを大きく変えるべきだと考えたとき、自分ができることをまず“やってみる”ことで、新たな展開につながっていくこともあるのではないでしょうか。もちろん、大きな構想を持って物事を動かしていくことも大切ですが、自分ができることからやっていくことで生まれる変化もあるはずです。

そんなとき、いろいろ話をしながら進めていくだけでなく、ちょっとやってみる、動いてみることも同じように大切にしていきたいものです。

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1