そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

100-2

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選挙に向けて
~勇気を持って周囲に話しかける~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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初めて選挙権を持った20年前を振り返ると、両親とは選挙について話をしたものの、友だちと話すことはありませんでした。突然、あまり仲が良かったとは言えない中学時代の同級生から電話があり、「どこに投票するのか」「誰に一票投じるのか」「〇〇党の〇〇候補者は素晴らしいひとだよ」と言われ、なんとなく嫌な気持ちになったからです。

当日はそう思ってしまい、なんとなく選挙の話は友人や知人としないよう避けてきましたが、いま思えば“そういう話”こそ、信頼できる友人とカジュアルに、ノリで、でもいいので話をしておけばよかったと思います。

今回の衆議院議員総選挙のような大きな選挙も、自分が住んでいる街の選挙も、未来を誰に託すのかという意味では非常に大きな違いが出てきますし、自分たちの代表を誰にするのかを真剣に話すことは、恥ずかしいことでも何でもなくとても大切なことだからです。

もちろん、いきなり「あなたは誰を支持するのか、その理由を教えて」と伝えたら相手もびっくりしてしまいますので、あなたと私という関係ではなく、もう少し形を変えたところから話をしてみてはどうかな、と思います。

その意味で、私の友人も選挙についてちょっと斜めから情報を投げていたり、あまり見かけないけれども重要な投げかけをしています。

「選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由」
(認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹さん)

「『若者が投票に行かないから、若者向け政策が実現できない』という政治家を信用するな。」
(東京工業大学准教授 西田亮介さん)

どうでしょう。ただ「選挙に行きましょう!」とか、「若者の投票で社会を変えよう!」というものとは一味も二味も違います。もちろん、内容はしっかりしたものです。一方、「若者」「投票」「選挙」で検索をすれば、それとは真逆の、またしっかりした内容のものもたくさんあります。

話は戻って、私がここでお伝えしたいのは、両親や仲の良い友人と選挙の話をしてみてほしいのですが、いきなり固く真面目な話だと相手も構えてしまいます。それであれば、少し変化球で「こんな話があるんだよね」というところから切り出してみると、自然な形で選挙について話がしやすくなりますよ、ということです。

なかなか自分からこういうテーマの話を切り出すのは勇気がいるかもしれませんが、みなさんの世代は、案外、それぞれが思っていることを言葉にせよ、SNS経由にせよ、さらっと話せてしまうのかもしれません。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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