そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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ないなら創る
~寄付になる不要なモノ~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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自宅に「もういらないな」「使わないな」というモノありませんか? 捨てはしないけれど読み直すこともない書籍、クローゼットに1年以上積まれている洋服や靴、使わなくなったおもちゃや楽器、買い替えで不要になった携帯やタブレット。

とくに愛着があると捨てづらく、また捨てるにもお金がかかってしまう不要なモノもあるかもしれません。大掃除や部屋の模様替え、引っ越しのときは特に大きなモノが出てきます。これらを捨てるのではなく、一度引き取った上で、その買取り金額をNPOやNGOと寄付でつなげるサービスも最近では増えてきました。

これも「捨てるのはもったいないな」、そして社会課題を解決するNPOやNGOを寄付でサポートすることを両立できないかと考えたひとが、それを実現できるサービスを創りました。

例えば、「チャリボン」は不要な書籍やゲームが寄付になりますが、ウェブで申請すると宅配業者が指定した時間と場所に無料で引き取りに来てくれます。「Fashion Charity Project」は使わなくなった服やバッグを預けると、それを欲しいひとが購入し、その代金が寄付になります。「お宝エイド」は、おもちゃや楽器に限らず「こんなものも?」というくらい幅広いモノを買取り、寄付にしています。

私が運営する認定NPO法人育て上げネットも参加しています。お金で寄付するだけでなく、全国のたくさんの方々から不要なモノを頂戴して、寄付を受けています。また、とてもたくさんのNPOやNGOを寄付先として選ぶことができます。

寄付となるとちょっとハードルが高いというひとは少なくないと思いますし、お金で寄付をするにもなかなか簡単ではありません。しかし、「これは要らないな」とモノを捨てることは誰でもあるでしょう。それを新しいサービスを創ることで、ひとを幸せにして社会をよくすることを実現したひとたちがいます。

これも「あったらいいな」と思ったひとが仲間を集めて始めたもので、特別な才能や環境があったからできたものとは言えません。逆に言えば、そういった才能や環境があっても、“ないなら創る”と行動しなければ、これらのサービスは実現しなかったと思います。

日常生活のなかで小さな“あったらいいな”に出会うでしょう。そのなかでも、これはと思うことがあればぜひ創るということにもチャレンジしてもらいたいと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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