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進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。シリーズ2 大学・短期大学17学問系統別、大学の先生に聞く「学部・学科選択のポイント」

Part.12

学び系統12
地球・環境・生命・農林水産・獣医畜産

【学べること】地球科学、生命科学、環境マネジメント、農学、生物資源、農芸化学、酪農・畜産、林産・水産、獣医など

玉川大学 農学部長
小野 正人(おの・まさと) 教授
※組織名称、施策、役職名などは取材当時のものです
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進学先を検討する際、将来の目標や学びたいことを明らかにしたうえで、自分の希望にあった勉強・研究ができる進学先を探すことが重要だ。具体的に学部を検討してみると、同じ名称の学部はたくさんあり、大学によって学ぶ内容に特徴があることがわかる。では、どのような点に注目してこれらの学部を検討していけば良いだろうか。ここでは17の学問分野別に、大学の先生にインタビュー。自分にふさわしい学部を選択するコツ・ポイントについてアドバイスをもらった。

生物資源の活用で社会を支える。

▲小野 正人教授

農学は、人間にとって不可欠な生物資源を幅広い観点から研究し、生活や社会のために活用していく役割を担っています。農学がカバーする領域はとても広く、生物資源の生産、生物の機能の解明やその応用、生態系や環境保全などの研究に取り組んでいます。

生物資源の生産では、品種改良、害虫駆除や病気の予防、植物生産にかかわる昆虫の機能、生産性を高める技術などを最新のバイオテクノロジーを含めて研究します。

生物の機能の解明と応用は、生物を分子・細胞レベルでとらえ、生命現象のしくみ、生物が持つ機能や有用物質を人間の健康や産業に役立てていく方法などを探り、応用生物化学的な色彩も濃くなります。

生態系や環境保全は、生物個体間の相互作用を明らかにして生物資源生産に活用したり、環境への負荷を減らす持続可能な農業のあり方などを追究し、農産物の流通や消費といった経済的側面も考えていきます。

ただ、これらは別々のものではありません。生物を見るレンズの倍率が違うだけです。分子・細胞レベルで見るか、個体レベルで見るか、生態系や環境レベルで見るかということで、玉川大学農学部ではそれぞれに対応した学科を設けています。このような観点から、教員養成課程は、学科横断的な教職コースとし、自然科学を理解した上で教育現場において理科・農業科教育を実践できる教師の養成に取り組んでいます。

農学は裾野の広い学問なので、卒業後の進路も多様です。玉川大学の場合は、企業、公務員、自営、教員、大学院進学などに分かれ、企業では食品や種苗、医薬品など専門性を活かせるところが多くなっています。

高校生へのアドバイス

大学を選ぶときは、ぜひオープンキャンパスに参加してください。生物を本や映像で見ただけでは本質をつかむことはできません。大学も同じ。自分の目と耳と足で現場を確かめ、心(脳)で感じとることが大切です。

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