シリーズ5 業界で活躍中のセンパイにきく

アコガレ★JOBインタビュー season 3
Part.2 公務員・警察・消防・郵政

植物検疫官


農林水産省
横浜植物防疫所業務部 コンテナー貨物担当
横浜植物防疫所 植物検疫官
松川 恭(まつかわ・たかし)さん
※部署名、役職名などは2016年11月取材当時のものです
更新:2017/05/29
世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。

最初に配属されたのは福岡の植物防疫所の支所で
横浜での勤務は3年目という植物検疫官の松川恭さん

コンテナーを検査して病害虫を発見し
日本の農業と食の安全を守る仕事

私が勤めているのは植物防疫所という役所なので、「植物検疫」という業務を担っています。植物検疫とは、農業を営む上で大事なのが気候と病害虫の発生を防ぐことですが、海外にいるような危険な病害虫が日本に侵入し、定着・蔓延して日本の農業に悪影響を及ぼすようなことがないようにするのが目的の業務です。

植物検疫は大きく「輸入検疫」「輸出検疫」「国内検疫」に分けられますが、私は輸入検疫を担っていて、主にコンテナーで輸入される野菜や果物、大豆、麦のような穀類を検査する仕事を行っています。

病害虫を発見するには、まず目視でそのもの自体を見ますが、虫がいたとしても、その場で種類の判別はなかなか難しいので、それを採取し、標本を作って顕微鏡で識別して観察するというのが基本的な業務です。

虫としては一般的でも、日本にはいない虫が輸入品についてくることがあって、例えば「ミバエ」というハエの中には、非常に珍しいものが見つかることがあります。

輸入されるコンテナーを検査します
果物などに付着する病害虫の有無を調べます

輸入禁止の判断とていねいな説明と
地道な作業が目立たないことこそが成果

検査で不合格対象の虫が見つかった時には、輸入者さんに「燻蒸」という、密閉した空間にガスを充満させる消毒をしてもらうとか、見つかった虫によっては元の国に返送してもらいます。それは輸入者さんにものすごく大きな負担を強いることになります。

また、「この国からのこの果物は全ての輸入を禁止する」といった規制もあります。私が経験したケースでは、輸入業者の方の中には、その規制があることで商売ができないことになりますから、「なぜ輸入禁止をしているんだ」、「検査して虫がいなければ輸入してもいいじゃないか」という強い要望をいただいたりすることがあります。

しかし、輸入禁止という規制があって、その方だけを特別扱いはできませんから、なんとか検疫制度をていねいに説明してご理解いただくという苦労をしたことがあります。

一方で、植物検疫制度は、我が国の農業のための業務ではあるのですが、農家さんと直接向かい合う仕事ではありませんから、感謝をしてもらうことが少ない、地道な仕事ではあります。

採取した虫の標本を作って顕微鏡で識別します
地道な作業によって我が国の農業が守られています

こんな人に向いている!

植物防疫所は、私の所属する輸入検疫のほか、病害虫の識別を研究する部署や、病害虫を侵入したときのリスクを調査している部署、病害虫に関するあらゆる業務をしているところがあります。植物や虫に興味がある方でしたら、必ず活躍できるところだと思います。

動画でインタビューを公開中です。↑サムネイル画像をクリックすると動画が再生されます。(音声が出ますのでご注意ください)

■農林水産省 横浜植物防疫所
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