近畿大学の研究グループが
セシウムを99%以上取り除く「ゼオCa漆喰」を開発


近畿大学
更新:2012/06/18

近畿大学(本部:大阪府東大阪市・学長:塩崎均)の森村毅非常勤講師(元教授・工学部)、多賀淳講師(薬学部)ならびに石渡俊二准教授(薬学部)、緒方文彦助教(薬学部)、原子力研究所の伊藤哲夫教授、山西弘城准教授らの研究グループは、水に溶けたセシウムをろ過して99%以上取り除き、建築物の壁や床材として使える強度を備える漆喰(しっくい)の開発に成功した。

ゼオライトを混合した漆喰は従来、防臭・脱臭などにすぐれた建材として活用されてきたが、耐水性がないうえ強度が小さく、崩れやすい欠点があった。そこで、カルシウムイオン水で漆喰の強度を上げるため、漆喰製造時にゼオライトを石灰重量の3から4倍で混合し、さらにカルシウムイオン水を添加し、カルシウムイオン水を添加していないゼオライト漆喰の2から3倍の強度を確保した。

カルシウムイオン水で漆喰の強度を上げる技術は、近畿大学工学部の森村毅非常勤講師(元教授)が2010年、株式会社建築舎ゆわんと村(本社:広島県呉市、代表取締役社長:佐藤陽一)と共同開発した高強度漆喰で使われたものを活用した。

「ゼオCa漆喰」は、ゆっくりした透水能力を持つことが特色で、セシウム水溶液による透水実験を行ったところ、99%以上のセシウム吸着性能を確認。30mg/gの吸着容量(飽和量)があることも検証している。また、きわめて細かい孔(あな)が無数にある構造をしているため、土などの固形物を含む汚染水をろ過する場合でも、目詰まりを少なくできることがわかった。

研究グループは「ゼオCa漆喰」に、セシウム汚染物質をろ過するフィルターの機能を期待。また、建材としての強度があるため、セシウム汚染物質からセシウムを除去・封じ込めるための施設において建材として活用できる可能性も。研究グループでは今後、「ゼオCa漆喰」のさまざまな活用方法の検討、「ゼオCa漆喰」の建材としての性能およびセシウム吸着能力のさらなる向上などの研究を進めていくという。

■近畿大学
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