新潟大学大学院医歯学総合研究科
口腔保健学分野で歯周病が全身に及ぼす
悪影響の新たなメカニズムを解明!


新潟大学
更新:2014/05/12

新潟大学(新潟市西区・高橋 姿大学長)では、大学院医歯学総合研究科口腔保健学分野の山崎和久教授の研究グループが、この度、歯周病が全身に及ぼす悪影響の新たなメカニズムを解明した。

山崎和久教授らの研究グループは、歯周病の有力な原因菌であるPorphyromonas gingivalisという細菌をマウスの口腔から投与したところ、腸内細菌叢を大きく変化させ、全身的な炎症を引き起こすことを明らかにした。

本成果により、腸内細菌と全く異なる病的口腔細菌が腸内細菌のバランスを崩し、その結果、腸の透過性が亢進し、そこから入った内毒素が血流を介して様々な臓器・組織に軽微な炎症を持続させることが歯周病と全身疾患を結びつける有力なメカニズムとして示された。

本研究は、口腔内の環境が腸内細菌叢に影響を与えることを初めて科学的に明らかにしたもの。歯周病原細菌を飲み込むことによって生じる腸内細菌の変化は、血中の内毒素量を増加させ、様々な組織・臓器に炎症を起こすが、この腸内細菌の変化は、同じく腸内細菌の変化を引き起こす肥満・糖尿病で見られる所見と大変よく似ており、歯周病が全身に及ぼす影響の新たなメカニズムとして注目される。

口腔内を清潔に保つことが全身の健康を保つ大きな要因であることが科学的に実証されたことから、このモデルは“健康な”口腔細菌叢を確立する新たな治療法の開発に役立つものと大いに期待される。

●「Scientific Reports」(ネイチャー・パブリッシング・グループ)のオンライン速報版で公開された研究成果(英文)
http://www.nature.com/srep/2014/140506/srep04828/full/srep04828.html