大気中に拡散した
福島第一原発事故の強放射性粒子から
ウラン検出


東京理科大学
更新:2014/09/01

東京理科大学(本部:東京都新宿区・藤嶋昭学長)の中井泉教授らの研究グループは、福島第一原発の事故直後の3月14日の夜から翌朝にかけて原発から130キロ離れた茨城県つくば市で採取した大気中のチリを、兵庫県にある大型の放射光施設「スプリング8」で分析した。

その結果、放射性セシウムのほか、ウランや燃料棒の素材のジルコニウム、圧力容器の素材の鉄など、核燃料や原子炉内の構造物と一致する物質が検出された。

これらのチリは直径2マイクロメートルほどのボール状であることがわかり、事故当時、揮発性の高いセシウムのみが大気中に放出されたのではなく、燃料であるウランそのものを外部に放出しうる程度に炉が破損していた可能性が示された。

さらにX線吸収微細構造分析とX線解析分析を行い、このボールがガラス状態であることも突き止めた。これらの分析結果から、それらが高温で溶けたあと外部に放出されることで急冷され、ガラス状態になったというセシウムボールの生成放出シナリオを予想することができた。

福島第一原発では、事故発生からチリが採取された14日の夜までの間に核燃料のメルトダウンが進み、1号機と3号機が相次いで水素爆発していて、研究グループでは早い段階から大規模な原子炉の破損が進んでいたことを裏付ける結果だとして、今後もさらにチリの分析を進めることにしている。

セシウムボール(右下:電顕写真)における、
ウラン、セシウム、バリウムの分布

ウランの確実な存在を示す、ウランのX線吸収スペクトル

■東京理科大学
http://www.tus.ac.jp/