跡見学園が
森鷗外の「舞姫」直筆草稿を購入


跡見学園女子大学
更新:2015/06/08

跡見学園女子大学(東京都文京区・山田徹雄学長)は4月28日、森鷗外(1862〜1922年)の代表作「舞姫」の直筆原稿を京都の古書籍業者から購入したと発表した。

早ければ今秋にも文京区立森鷗外記念館で公開する。デジタル資料としてウェブ上で公開することも検討している。

鷗外の直筆原稿は今年3月、臨川書店(本社・京都市)が国際古書市に出品した。同大は、学園創立140周年記念として購入したと発表。

同大によると、自筆原稿は大正10年ころ、出版社から処分されたとみられるものを廃品回収業者が発見し、古書店に持ち込んだ。その後、朝日新聞社主を務めた上野精一氏が購入し、研究用に1960年、300部の複製本が作られたが、現物が文学展などに出ることはなかったという。長らく上野家が所蔵していたが、今年3月に国際稀覯本(きこうぼん)フェアに出品され注目を集めた。

同大の山崎一穎理事長は今回の購入の動機について、「舞姫」執筆時の鷗外夫人が、同大の前身である跡見女学校の卒業生で、鷗外の玄孫が同大で准教授を務めているなど、学園と関係が深いことも購入の理由という。「海外に流出する恐れもあり、できれば日本に置いておきたいという、少々のナショナリズムもあった」と話す。

短編小説「舞姫」は1890年発表で、ドイツに留学した若き官吏と貧しい踊り子エリスとの悲恋の物語。エリスを愛すると同時に、帰国と出世を願う知識人の葛藤を描いた。鷗外自身のドイツ留学体験が原点とされる。原稿は和紙に毛筆で、袋とじ56ページ。冒頭部分は一文字を丁寧に書くのに対し、興が乗ると続き文字になっている。

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