商品No.005

完全循環型醸造プロジェクトにより
廃棄物ゼロの「ムラサキイモ焼酎」を醸造

『芋焼酎「阿蘇乃魂」』
(720mlボトル)


東海大学農学部・バイオサイエンス学科
(熊本県阿蘇郡)
※商品開発学科名、商品名、仕様、価格などは取材当時のものです
更新:2011/01/24

東海大学、九州沖縄農業研究センター、房の露株式会社、木之内農園の連携によりうまれたムラサキイモ焼酎「阿蘇乃魂」。クセがないのに豊かなコクと甘みがあるおいしい焼酎ができあがった。原料の紫芋「ムラサキマサリ」は九州沖縄農業研究センターで開発され、健康によいといわれるポリフェノールを含む色素アントシアニンがたっぷり含まれている。

東海大学と九州沖縄農業研究センターは2004年4月に農業分野における包括的な学術研究交流に関する基本協定を締結し、同センターの研究者が客員教授として同大学の教育・研究に参画してきた。そうした交流のなかで、このムラサキマサリの協同研究が開始された。

ムラサキマサリはアントシアニンに加えてデンプンも豊富で焼酎づくりに好適。焼酎かすからさらにもろみ酢を作ることができ、それにもたっぷりアントシアニンが含まれていて、機能性食品としてアピールできる。 また、さらにそのかすを豚に与えても非常に「食い」が良く、飼料としても十分に期待できた。こうした特色を知るにつれて「単なる用途開発だけではもったいない、より多角的な活用ができるのでは」と考えるようになった。そして両者が会議を重ねるなかから生まれたのが、ムラサキマサリを始点とするゼロエミッションサイクルへの挑戦だった。

従来、製造過程で発生する焼酎かすは海洋投棄されていたが、法改正により07年春から全面禁止となり、現在、さまざまな処理方法やリサイクル方法が研究されている。蔵元の多くは経営規模が小さく、廃棄物処理は重いコスト負担になりかねない。しかし、ムラサキマサリならば焼酎かすを廃棄せず試料として活用できるため、おいしい芋焼酎を開発するとともに、原材料の生産から製品加工、廃棄物処理まで一貫した完全循環型システムを構築できる。さらに、地域産業の振興にもつながる。一石メ三鳥モを狙うこのプロジェクトは、「ムラサキマサリを用いた高度循環型醸造に関する産官学研究〜醸造かすを出さないゼロエミッションプロジェクト」と名付けられた。

同センターの皆川研究管理監と同大学農学部荒木教授が連携して熊本県内の焼酎メーカーをあたり、房の露(株)の参加を取り付けた。また、社長が九州東海大学農学部の一期生という縁から、木之内農園がムラサキマサリの栽培・普及に協力することになった。2008年には実験醸造を終え、「阿蘇乃魂」の銘で試験販売を開始。2010年から本格販売が開始されている。並行してもろみ酢の試験醸造や焼酎かすの飼料利用のための栄養試験などを重ね、ゼロエミッションサイクルに近づける計画だ。

なお「阿蘇乃魂」は、このプロジェクトに関わる統一ブランドとして位置づけられており、焼酎銘のほかにもろみ酢や家畜飼料などに広く展開する予定。

■ゼロエミッションを目指した産官学連携プロジェクト:東海大学
http://www.u-tokai.ac.jp/about/collaboration/closeup/zero.html


■九州沖縄農業研究センター
http://konarc.naro.affrc.go.jp/

■房の露株式会社
http://fusanotsuyu.co.jp/

■有限会社木内農園
http://www.kinouchifarm.com/

●東海大学
阿蘇キャンパス=熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽。「阿蘇くじゅう国立公園」内に位置し、雄大な阿蘇外輪山の一角を占める阿蘇キャンパスは応用植物科学科・応用動物科学科・バイオサイエンス学科の3学科からなる農学部のフランチャイズ。
牧場や農場、動物舎、果樹園、農産加工場、そして最先端のバイオテクノロジーセンターなどを併設した、全国でも珍しい「牧場・農場併設型キャンパス」となっている。