EYE's Journal

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28-3

シリーズ28 短期大学の魅力再発見
Part.3
城西短期大学
学生一人ひとりの進路に寄り添う
ベースカレッジという選択肢

城西短期大学 ビジネス総合学科
蓼沼 康子 氏
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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短期大学は、時代の変化に対応して、複合的な領域を扱う学科、より幅広い教養を身につける学科、資格と直結した学科が次々に登場するなど変化を続けている。今回は、ベースカレッジを軸に学生の多様な進路決定を柔軟にサポートする、城西短期大学の蓼沼康子氏に話を伺った。

きめ細かい少人数教育で
希望の進路への橋渡しを実現

日本の短期大学は、主に女子のための高等教育機関として戦後発展してきました。しかしながら四年制大学の進学率の高まりや社会の変化に合わせ、短大へのニーズが変わる中、城西大学女子短期大学部から城西短期大学へと名称変更し、翌2006(平成18)年に開設したのが、城西短期大学ビジネス総合学科、通称ベースカレッジです。

社会に出るための職業教育と併行して四年制大学編入・留学の準備課程としての役割も担うベースカレッジは、幅広い科目を学びながら自分に合った進路を見出し、将来の土台づくりを行う教育機関です。2年という期間を有効活用し、入学時からのキャリア教育で一人ひとりのキャリアを構築。その上でそれぞれが必要とする教養や専門性を身につけ、社会や大学という次なるステップに移行する基礎力を蓄えます。

実際に本学に進学する多くの学生が高いポテンシャルを持ちながら、高校卒業時には将来の進路を決めきれなかったことを入学動機として語る学生が少なくありません。二十歳前の岐路に立ち、じっくり自分と向き合い将来の道筋をつけていく柔軟な教育機関として、旧来とは異なるカリキュラムを整え進化させた短大がベースカレッジです。

特色である少人数クラスによる授業や教職員と学生の距離が近い密なコミュニケーションは、きめ細かいキャリア教育において不可欠なものです。各自が満足いく結果を得られるよう、未来の方向性の把握のためにも、学生一人ひとりに寄り添い、教職員は常に連携し指導にあたっています。その過程で就職だけでなく、進学という道筋が得られることも、城西大学や城西国際大学をグループ校に置く本学の強みです。

就職に勝つバックアップ体制により
就職内定率は毎年ほぼ100%

ビジネス総合学科を標榜する本学では、職種や業種にかかわらず求められる一般常識やマナーといった基礎力を含むコアユニットに加え、会計や情報、販売・接客、スポーツ健康、ホテル・観光、公務員、医療事務など、専門的な12種のユニットを自由に組み合わせるカリキュラムを導入しています。学生はその中から自分らしさを育み、就職へのアドバンテージを高めます。

各ユニットでは関連した資格取得を積極的に支援。コンピュータを学びながらMOS検定のWORDやEXCELを取得、あるいは簿記原理を学びながら日商簿記検定を受けるなど、連動して就職に役立つ資格取得を目指します。資格については教材費のみで受講できる資格取得講座も数多く設けています。

こうした学習の中で、ベースカレッジが重要視しているのが体験型授業です。身につけた知識や技術が、実際の現場ではどう活かされるのか、インターンシップ先や地域のボランティア先で実践。自分を試すと同時に、自分の適性を知る機会としています。

「キャリア発見演習」で、考える力や協調性を養うユニークな授業も選択科目として設けています。

自分のやりたい仕事や就職を勝ち取るため、ベースカレッジでは進路別担任コーチ制を導入し、個別指導や個別相談を行っています。

これら複合的キャリア教育等により、本学の就職内定率は毎年ほぼ100%と好調です。近年は特にメガバンク、金融機関、自動車メーカー、トレンドショップと、大手企業の内定も早い段階から決まっています。医療事務の資格を取得し、調剤薬局に内定する学生が多かったことも今年の特長です。これら数字も本学の持つ社会的意義を裏付けるものになっています。

都心の東京紀尾井町キャンパスも
選択可能な自由度の高い学習環境

ベースカレッジの教育拠点は、城西大学と同じ坂戸キャンパスです。城西大学と共有するキャンパスでは、図書館やグランドなど充実した施設や設備が利用でき、サークル活動や海外研修で短大の枠を超えたさまざまな学生との活発な交流が期待できます。高麗祭実行委員会に参加した感動、留学生との交流、箱根駅伝の応援など、キャンパスライフを一層充実させるメニューは豊富です。

そしてベースカレッジには学ぶ場所を選べる、もう一つのキャンパスがあります。都心にある東京紀尾井町キャンパスは、官公庁やマスコミ各社、一流ホテルが建ち並ぶ、ビジネスの中心地。城西大学理学部数学科や城西国際大学の授業も開講されるこのキャンパスには、関東圏各地からのアクセスが至便。短縮した通学時間を学習時間や自由時間として活用するため、2年間このキャンパスで学ぶこともできます。

好立地を活かし実施される第一線の企業家による特別講義や都心での職場体験など、東京紀尾井町キャンパスならではの特典も多々あります。

坂戸キャンパスや東京紀尾井町キャンパスで、自分の興味のある科目を自由に選択し、それまでの受験勉強とは違う少人数での学習スタイルを体験することで、あらためて学ぶ面白さに気づき、編入を志望する学生は毎年10名以上に上ります。この編入希望者に向け門戸が広く開かれているのもベースカレッジの魅力です。

編入希望者は2年間の履修内容や成績によって、城西大学や城西国際大学への推薦入学また3年次編入学が可能です。

スムーズにステップアップできる
城西大学や城西国際大学への編入学

坂戸キャンパスの経済学部、現代政策学部、経営学部、理学部、薬学部については、ベースカレッジ在学中から、各学部の入門編授業や専門科目を選択して受講できます。つまり実際に各学部の授業を学びながら、自分の適性や興味を確認した上で、進学や編入学する学部を決定できるのです。その過程で取得した単位はまた、進学・編入学した学部の単位として認められます。

目標や適性を判断して進学した大学で、高い学習意欲をもって学び、さらに弾みをつけて第一志望の企業より内定をもらう学生を数多く見てきました。漠然とした気持ちで四年制大学に進むより、ベースカレッジの2年を経由したことで、将来像が明確になり大学生活は充実したと笑顔で巣立つ卒業生に、我々もまた教育の手応えを感じています。

多様な学生がいて、高校卒業時にも多様な選択肢があります。その次のステップへの準備期間となるベースカレッジという短大のカタチは、今の時代にこそ必要とされている教育機関と自負しています。

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