そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

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「やってみる」ことの大切さ
~自分にとってのチャレンジをする~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット
山﨑 梓(やまざき・あずさ)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

「無駄なもの発明家」という肩書きのお仕事をご存じでしょうか。

先日、テレビ番組で取り上げられた藤原麻里菜さんの活動は非常に興味深いものがありました。

パソコンやスマートスピーカーといった私たちの生活を支えるアイテムが、余計なアクセントを加えられたことで無駄なものになっていくのですが、その「無駄さ」の発想・アイデアに感心させられます。

周りの人が考えもしないことを形にしていくその姿はまさに発明家。機器としての有用性は低いかもしれませんが、エンターテインメントとしての価値はSNSのフォロワー数やメディアに取り上げられている数を見ても否定できるものではありません。

印象的だったのは、同番組で語られていたことです。

「自分にはずっと才能がない」と、コンプレックスや劣等感にさいなまれていたという彼女。“生きづらさ”を救ってくれたのが、“無駄づくり”だった
(関西テレビ「7 RULES」2021年9月14日放送より)

わたしは普段から「生きづらさ」を感じている若者を支える活動をしています。「生きづらさ」を感じるようになった背景はみなさん異なりますが、社会からの疎外感に悩んでおられることは共通しています。

藤原さんの「無駄づくり」のように自分が続けられることを見つけると、それが社会とつながるきっかけになります。そんな自分が「やりたい」と思えることをいっしょに探すことも私たちの活動のひとつです。

藤原さんは最初から「無駄づくり」をしていたわけではなく、お笑いの養成所に入ってお客さんの前で芸をするなど、さまざまなチャレンジを通じてたどりついたものだったことを明かしています。自分が自分について知っていることから、いろいろ試してきて現在の段階にあるそうです。

今の自分にできることなんかない、好きなこともないという方も、まずは試しに「やってみる」ところから始めると、好き嫌い、得意苦手の基準が生まれていきます。少しずつ自分のことを知っていくことが大切です。

「やってみる」が大事なんてわかっているけど、それができないから困っている⋯という方も多いと思いますが、普段とちょっと違うことから始めてみるのもおすすめです。

一駅分、早く電車を降りて歩いてみる、いつもより少し早く起きてみる、普段あまり読まない本を手に取ってみる⋯。そんな日常からちょっとだけ外れたことの変化を起こしてみたときの感情の変化を試してみてくださいね。

「きっかけは簡単に見つからない」とあきらめに近い感情をお持ちの方も多いです。エネルギーがあまりない状態のとき、今の自分を保つのに精一杯になっているときは、新しいことを始めるのが苦しいときもあると思います。

受験勉強や部活動も、他者からみて大きな挑戦に見えないことかもしれません。多くの人が経験することだから特別なこととは思えないかもしれませんが、自分にとって「やったことのない」ことは充分にチャレンジです。周りを気にすることなく、もう自分はチャレンジしていると頑張りの再確認も大切ですよ!

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか


認定特定非営利活動法人
育て上げネット 広報担当マネージャー
山﨑 梓
1990年生まれ。2010年から学生ボランティア団体で災害救援活動や地域貢献活動に参加。卒業後に育て上げネットに入職。ユースコーディネーターとして支援に関わりながら調査・研究を担当。現在は広報・寄付担当マネージャー。行政・自治体の若年無業者向けの支援に関わる技術審査員等歴任。共著に『若年無業者白書2014-2015』(バリューブックス)

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