キャンパストピックス

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11/24 No.1

高校生・受験生向け企画を紹介
早稲田祭2020(後編)
~キミも「今、新たに」~

早稲田祭2020運営スタッフ
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

11月7日(土)・8日(日)に早稲田祭2020がオンラインで開催された。当日は早稲田祭2020公式HPを中心に、YouTubeでのオンラインLive配信やZOOMを使った企画など300あまりの企画が配信された。編集部では、高校生・受験生向けトークライブ企画「受験生ナビ」や「早大生と早大入試に挑戦」企画の配信現場を取材。早稲田大学を目指す受験生やこれから進路を選択する高校1・2年生に当日の様子を紹介する。

早稲田大学公認こうはい応援プロジェクト
こうはいナビ「受験生ナビ」企画

秋晴れでやさしい陽射しの土曜日。法被を着た運営スタッフの真剣な顔や企画発表をする学生の笑顔が、大学に集まった。オンライン授業が今も続くキャンパスに学生たちの活気が久しぶりに戻った。

今回取材した「こうはいナビ」は早稲田大学に入学する新入生をサポートする大学の公式プロジェクト。早大生が主体となり、履修のアドバイスや学習サポートを行っている。また、未来の後輩である高校生に向けて、早稲田大学の魅力を伝える活動を行っている。

例年、早稲田祭では高校生に入試や勉強法、大学生活についてのトークライブや個別相談、実際に使った問題集や模試の結果の展示など、高校生の受験勉強を応援する企画が行われる。

今回のオンライン開催にあたり高校生に向けたトークライブ「受験生ナビ」を企画した。トークライブは3部制で、第1部「高校1・2年生の過ごし方」、第2部「受験生の過ごし方」、第3部「大学生の1日」をテーマに各回4名のパネリストが登壇した。

「例年だと企画に参加するために来校する必要があったが、オンライン化に伴い、地方の方や海外の方から参加できるので、つながりのある国内外の高校にイベントを案内できた」と、こうはいナビの奥村さんは話す。オンラインの匿名性による質問のしやすさもメリットになるだろう。

「推薦入試」利用者からのアドバイス
推薦合格者が入学までにやるべきこと

11・12月にピークとなる総合型選抜・学校推薦型選抜。推薦を利用したパネリストの早大生は、どのように準備をしたのだろう。

「推薦入試の利用を当初から視野に入れていたので、定期テストには力を入れた」と先進理工学部のCさんは話す。

学校推薦型選抜の書類と面接については、「高校で推薦枠を決めるために提出した志望理由書をベースにして詳しく書いた。高校の先生に添削してもらい文章の質を高めた。なぜこの学部学科に推薦を使って進みたいのかをしっかり考え、熱意を込めて書こう。面接はしっかりと自分の言葉で受け答えができれば大丈夫。あまり緊張しすぎず、志望理由として書いたことをよく思い出しながら落ち着いて答えよう」とアドバイスする。

また、推薦入試で合格を手にした人には、「これから進む予定の学部学科の基礎となる科目を勉強するのがよい。私の先進理工学部 電気・情報生命工学科では数学・物理・生物が学びの基礎となる。推薦合格者には、この科目に関する問題集が渡され期日までにレポートを仕上げる課題がある。私は高校で選択しなかった物理について学ぶよい機会となった」。

その様な課題のない学科の人も、どういったことが重要になるか考えて問題集などを利用して勉強することを薦める。「学力を落とさないためや弱点を克服するために、推薦が決まっても大学入学共通テストに備えた勉強もしたほうがいい。勉強のモチベーション維持にもなる。そして、専門分野の入門書をはじめ様々な分野の本を沢山読んで、自分と向き合う時間にしてほしい」と、話す。

先輩の「一般入試」勉強法
長文読解・記述問題の効果

一般入試に臨んだ3名が、使っていた問題集や勉強方法を紹介する。

社会科学部のKさんは、冬休み前と後にわけ、自分の受験勉強を振り返る。「冬休みまでは予備校のテキストと授業を受け、それぞれ復習することを繰り返した。直前期は午前中に私大3科目の過去問を解いた。本番での集中力を保つために、実際の入試より休憩時間を短くするなど負荷をかけて行った。午後は午前中に解いた過去問を解きなおして知識を定着させた」と自身の経験を話す。

国立大学も進路に考えていた教育学部のSさんは、「国語は記述式の問題を中心に解き、高校の先生に添削してもらうことを繰り返した。私大の入試はマーク式で記述ではないが、思考力や論述の力を高めるのにとても役に立った。英語は実践的な力を身につけるために長文読解に早くから取り組み、分からない単語や熟語、表現を自分だけの単語帳としてまとめたことで自信がついた。日本史は、テーマや年代に基づいた記述問題で、1つのテーマや時代について掘り下げて理解し、体系的に知識を身につけることができた」と話す。

国公私大を志望していた教育学部のNさんは、英語の外部試験利用ができる学部での利点から高校3年の11月に英検準1級を取得。「早稲田の英語は準1級レベルなので、英検の長文読解や単語、イディオムに慣れ、入試本番の形式に対応できるよう頑張った。早大の入試では使わなかったが、小論文で自分の意見を書く練習をしたことで、大学入学後に必要な論理的な思考力が向上できた」と話す。

先輩からの「入試当日」アドバイス
当日の持ち物と心構えとは!?

「入試当日の大学周辺は受験生などで大混雑します。駅からの道順を確認し、時間には余裕を持って会場へ向かうこと。当日は寒くなることが多いが、教室は暖房で暑いこともある調節できる服装で、カイロも準備したい。

当日の持ち物は、受験票や筆記用具、昼ごはんと糖分補給のお菓子、ラッキーチャームとポジティブな心!!

大教室で問題の訂正が板書されることもあるので、視力に不安があればメガネも忘れずに持っていこう。荷物を置く場所は椅子の下などであまりスペースがないので、参考書は各科目1~2冊くらいにして荷物はなるべく減らそう」

早大生パネラーからの早大入試当日のアドバイス

大学周辺がとても混みます。時間には余裕を持ちましょう
荷物の量イコール不安の量!! 荷物は保管場所が少ないので最小限に
糖分補給! チョコやグミで脳の栄養補給とストレス解消
パッションを感じるグッズ。神社のお守りやラッキーチャーム、早稲田グッズなどで自分自身が受験勉強で得てきた自信を確認し、まわりで支えてくれている人の絆とともに戦おう

早大生から受験生へのメッセージ
ポジティブな根拠なき自信家たれ!?

◆パネラーの早大生から受験生へのメッセージ

総合型選抜や学校推薦型選抜の合格発表が始まると、一般選抜を目指す受験生は気持ちが不安定になります。受験で一番重要なのは、精神的に不安定になっても周りに流されず、しっかりと自分の心を持つこと。受験は何があるかわかりません。私は5学部受験して、合格したのは社会科学部だけだった。諦めずに最後まで頑張ってほしい。(社会科学部Kさん)

今年は入試改革やCOVID-19などの影響で思うように勉強できないイレギュラーな状況だと思います。しかし嘆いてもなにも始まりません。そんな流れもポジティブに捉えるくらいが受験に成功できると私は考えます。根拠はなくとも常に自信をもって、変化をポジティブに変換できれば結果はついてくるはず。根拠なき自信家になってください。(教育学部Sさん)

受験事情は大きく変わっているけれど、私は基礎知識を固めた人が受験を制するものだと思っています。その知識は受験後に活きてきます。勉強を楽しむこと、そして自分のモチベーションを維持することが重要です。「勝ちたい」ではなく、「勝つ!!」。私は受験においても、何事も願望ではなく目標としてやることで、自分自身が「勝つ」という結果に至ることができると信じています。(教育学部Nさん)

早大生に聞いてみよう!
「高校1・2年生の過ごし方」

「受験生ナビ」第1部でのトークライブから、早大生の「高校1・2年時代の過ごし方」をまとめた。先輩の経験も参考に、自分にあった勉強法を見つけよう。

Q: 高校1・2年時代の勉強法は?

学校や塾、通学電車など自分が勉強しやすい場所を把握し、効率的に取り組んだ
先輩や先生からのアドバイスを参考に、受験の優先度の高い科目から基礎力アップ
高校2年の10月から塾に通う回数を増やし、受験への意識を高めた
どれだけ忙しくても、毎日必ず30分は机に向かった。生活記録ノートを作り、生活リズムや学習教科の偏りを可視化

勉強の習慣づけや、自分にあった勉強法を探すこと、早期の基礎固めはやはり重要。一歩一歩受験への準備を進めよう。

Q: 部活との両立は?

〈運動部〉
平日できない分、週末に授業の予習復習をこなし、まわりに遅れないよう努めた
大会や練習に明け暮れ勉強時間が確保できず、引退後も勉強への切り替えに苦労した
〈文化部〉
両立は可能だった。顧問の先生に進路相談をしてもらった

時間がなくなる分、それをフォローする工夫が必要。部活との両立は大変だが、得られるものも大きい。自分の道を進もう。

Q: 進路の決め方は?

小学校の頃に父と野球やラクビーの早慶戦を観戦し、学生や母校愛あふれるOBの姿に感動し、早稲田大学を志望するようになった。選択肢が広がると考え理系を志望(創造理工学部)
中学3年生の頃から毎年オープンキャンパスに参加していた。パンフレットを読んだり、実際に足を運ぶことで進みたい学部を見つけた(法学部)
部活動でお世話になったコーチに憧れ、トレーニングやコーチングなどスポーツについて専門的に学びたいと考えるようになった。高校のHRで進路に考える時間を利用した(スポーツ科学部)
憧れの担任教員の出身校である早稲田大学に興味を持った(教育学部)

身近な人の影響は大きいようです。早期から興味のある大学にアプローチすることは、とても重要なようですね。

熱意のある先輩からのアドバイスは貴重なものですね。今年8月に行われた高校生向けのトークライブの様子がYouTubeこうはいナビチャンネルで視聴することができます。

ぜひ、こうはいナビTwitterInstagramもフォローしてみてください。

早大入試当日を体験しよう!
早稲田祭2020運営スタッフ
「早大生と早大入試に挑戦」企画

たくさん模試を受けても入試当日は不安な受験生が多いはず。次は早大祭2020運営スタッフが企画運営する、オンライン会議ツールZOOMを利用した少人数制の入試体験企画を紹介する。

本企画は、入試当日の流れを40分で一通り体験することができる。

「COVID-19でオープンキャンパスが中止となり、早稲田大学へ来ることのできない高校生に、少しでも入試当日の雰囲気を体感してもらい、皆さんの早大合格の力になりたい」と、運営スタッフの町田さんは企画立案の背景を教えてくれた。

企画は各回4名程度定員に2日間ほど6回行われた。事前に早稲田祭公式Twitterで参加者を募集し、希望者は応募フォームから申し込む。当選者には事前に受験票と入試問題が参加者に届き、当日一緒に問題を解いていく。

皆さんを入試当日にご案内します!
早稲田駅から会場の早稲田キャンパスへ

パソコンの画面には大学周辺の写真が映しだされた。

「早稲田大学の入試当日です。当日は寒く、雨が降ることも多いので寒さ対策万全で臨むことをお薦めします。教室は暖かいのですが、廊下は寒いのでカイロなどを持っていくと安心です」と運営スタッフの中川さんが優しく声を掛ける。

「早稲田駅に到着しました。早稲田キャンパスは東京メトロ東西線早稲田駅、副都心線西早稲田駅、JR高田馬場駅から行くことができ、早稲田駅が早稲田キャンパスの一番近い駅です。早稲田駅へ向かう車内で勉強している高校生は、ほとんどが今日のライバルです。駅に到着すると受験生がたくさんいます。事前に会場までの道のりを調べておくと安心です」

一行は早大南門通りの商店街を通り、会場へ向かう。正門では受験票を確認、いよいよキャンパスに入る。

政治経済学部の校舎3号館、法学部の8号館、商学部と国際教養学部の本拠地11号館、社会科学部の14号館、文学部や文化構想学部、商学部など特に受験者の多い学部の会場となることが多い15号館、最後に教育学部の16号館と各校舎が紹介される。そして入試当日の時間割を見ながら、休み時間の過ごし方などアドバイスがされた。

試験開始時刻が近づいてきたので、
実際に試験が行われる教室入りましょう

試験が行われる教室は、模擬試験の会場と同じ様な雰囲気なので、とても落ち着いて試験に臨むことができそうだ。

「ではそろそろ英語の試験が開始されます」

英語の試験が始まった。事前に配られた今日の入試体験の問題は5問。早大生スタッフが、早大入試の傾向や時間配分、解き方のポイントを補足しながら1問1問一緒に解いていく。その都度、わからない単語や質問をフォローしてくれる。

「入試を難しく考えすぎずに楽しむことを、この入試体験企画を通して感じてもらいたい」と運営スタッフの町田さんは話す。

「私は受験の時、本当に受験がとても高い壁だと感じていて、精神的にも辛かったけど、実際に受験会場に行ってみたら、模試とあまり変わらなく、むしろ楽しんで受けることができた。受験勉強は大変ですが、あまり不安になりすぎず、楽しむくらいの気持ちをもって臨んでほしい」と受験生を応援する。

「……ではこれで問題を終了します。お疲れさまでした。この後に国語、日本史などを受けて、長い試験は終了です。では早稲田駅まで帰りましょう。帰りの早稲田駅までの道のりはとても混んでいて、早大南門通りは歩行者天国の様な状態で警察の交通規制が行われるほど。まるでお祭りみたいです。そして入試が終わった約一週間後に合格発表があります。早稲田大学の合格発表は、受験番号を入力するとすぐに合否がわかります。これで入試体験は終了します」

企画を通して少しでも高校生の手助けをしたいと中川さんは話す。不安に負けず、着実に勉強をすすめ自信をつけて欲しいとエールを送る。「早大生と早大入試に挑戦」企画は、受験生だけでなく、高校1・2年生もぜひ参加してほしい内容であった。

取材を終えて

紹介した両企画とも、質疑応答では受験生・高校生がたくさん質問を寄せていた。

「勉強の計画が狂ったとき焦って勉強が手につきません。勉強計画のアドバイスがほしいです」「英文を読むスピードが上がりません。英文を読むコツはありますか?」「塾はいくべきですか?」「スマホの使用時間は?」など多くの受験生が時間の限りアドバイスをもらっていた。

他にも早稲田祭2020では高校生向けコンテンツとして、【高校生必見!】「みんな早大生!!」(note)に、推薦・AO入試を利用した早大生の体験談を掲載している。

▲早稲田大学よさこいチーム 「東京花火」の配信の様子

今回取材したこうはいナビ「受験生ナビ」企画の第3部「大学生の1日」では、大学での学びが紹介され、変化をポジティブに変換し前へ進む早大の姿が印象に残った。

当日は他にも大学で実際に行われている講義を配信する「早稲田大学おうちキャンパス」や各団体の企画展示、パフォーマンスなど多彩な早稲田の魅力を、多くの高校生が視聴して感じたはずだ。

同じ目標を目指し戦い抜いた先輩からの言葉や、早稲田祭でほとばしる学生たちの姿は高校生の励みとなり、未来の後輩たちの胸に「今、新たに」火が灯ったのではないだろうか。

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