EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

39-3

シリーズ39 2018~2019年度 新・高校3年生対象
Part.3
全国主要29国公立大学 受験対策ガイド
【中部・関西】
新潟大学金沢大学静岡大学
名古屋大学名古屋工業大学京都大学
大阪大学大阪市立大学神戸大学

解説:駿台予備学校
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:
 更新:

2019年度入試をめざす新・高校3年生のみなさんが大学入試に向けて本格的な対策をスタートさせる時期になりました。そこで、主要国公立大学29大学について、センター試験の目標ラインや個別試験の特徴や対策など今後の学習の指針となるポイントについてまとめましたので、受験勉強のスタートダッシュに役立てください。なお、2017年度入試までの出題内容と2018年度の募集要項に基づいて作成していますので、必ず2018年度入試問題や2019年度入試の選抜要項・募集要項などで最新の情報を手に入れてください(全4回)。

新潟大学
【国立大学・新潟県新潟市】
学部:
人文/教育/法/経済/理/医/歯/工/農/創生
●下記はすでに終了した入試の情報です。

新潟大は、2017年度に10番目の学部として創生学部が設置され、本州の日本海側の国公立大学では最も学部数の多い総合大学となりました。

センター試験と個別試験の配点は、人文学部〈前期〉、経済学部〈前期〉、歯学部歯学科〈前期〉は個別試験重視配点ですが、他はいずれもセンター試験重視配点です。前期日程合格者のセンター試験平均得点率は、例年、医学部医学科が90%前後、歯学部歯学科が80%前後と高い得点率となっていますが、他は70%前後が目安となります。

個別試験は基礎を押さえておけば合格点に到達できる、国公立大学として標準的なレベルでの出題中心ですが、他の国公立大学同様に記述式・論述式の問題中心のため、対策をしっかりと行ってください。

なお、国語は人文学部、教育学部は現代文、古文、漢文が1題ずつ出題されますが、経済学部、創生学部、医学部保健学科看護学専攻は現代文のみで2題出題されます。現代文は普段からさまざまなテーマの文章に接しておきましょう。

金沢大学
【国立大学・石川県金沢市】
学域:
人間社会学域/理工学域/医薬保健学域
●下記はすでに終了した入試の情報です。

金沢大は、2018年度入試から後期一括入試「文系一括、理系一括」を実施、理工学域が6学類から7学類へ改組されるので、しっかりと確認してください。

前期日程では、センター試験重視の配点をとる学域・学類が多くなっています。センター試験:個別試験の配点は、最もセンター試験の配点比率が低い医薬保健学域医学類が450点:700点で、最もセンター試験の配点比率が高い人間社会学域地域創造学類が950点:400点です。

したがって、多くの学域・学類ではセンター試験で高得点を取ることで合格へ近づくことが可能になります。一般的にはセンター試験の得点率は75%が目標となりますが、医学類では85%~90%、薬学類・創薬科学類では80%~85%とさらに高い得点率が必要です。

個別試験では、多くの学類では2~3科目、医学類、薬学類・創薬科学類では、英語、数学、物理、化学の4科目が課されます。

なお、2019年度入試から、医薬保健学域保健学類検査技術科学専攻〈前期〉の個別試験で、理科は2科目必須になります。

静岡大学
【国立大学・静岡県静岡市】
学部:
人文社会科学/教育/情報/理/工/農/地域創造学環
●下記はすでに終了した入試の情報です。

静岡大は、情報学部と工学部が浜松キャンパス、その他の学部・学環は静岡キャンパスにあります。

センター試験と個別試験の配点は、工学部〈前期〉〈後期〉が500点:500点、教育学部美術教育専修〈後期〉は600点:600点と均等配点、地域創造学環の前期日程の選抜方法B(アート系)、選抜方法C(スポーツ系)はいずれも600点:800点と個別試験重視配点ですが、他はセンター試験重視配点となっています。

前期日程では、センター試験は70%程度の得点率を目標にしてください。

個別試験はどの教科・科目も標準的なレベルでの出題が多いため、高校の授業、教科書を大切にして、基礎を固めることが鉄則といえます。ただし、英語の自由英作文、記述量が多く小論文的な意見論述問題も出題される国語、論述問題の多い化学や生物は、実際に手を動かして解答を作成してみることが必要です。また、こうした問題は自己採点が難しいため、高校や予備校の先生に添削をお願いして練習を繰り返していきましょう。

名古屋大学
【国立大学・愛知県名古屋市】
学部:
文/教育/法/経済/情報/理/医/工/農
●下記はすでに終了した入試の情報です。

名大は、後期日程では医学部医学科のみ募集を行いますが、2018年度入試から、出願要件に愛知県内の高校出身であること、または保護者の現住所が出願時に愛知県内であることが追加されました。

入試では、2段階選抜は医学部医学科のみで実施が予告されています。実施予告倍率は、前期日程が約3.5倍、後期日程がセンター試験の成績が900点満点中720点以上かつ約8倍です。工学部と農学部において、高得点者選抜が実施されることも特徴です。なお、工学部と農学部は第2志望学科まで志願できます。

前期日程の入試問題は、国公立大学の標準レベルの良問が出題されていますが、難関大学だけに難しめの問題の出題もあります。まず高校の授業を理解し、基礎をきちんと固めることが合格への第一歩です。

駿台の名大入試実戦模試を受験することで、予想問題を解き、大学の傾向を徹底的にチェックすることが入試本番に向けての大きな指針となり、本番の雰囲気に慣れることにもなります。

名古屋工業大学
【国立大学・愛知県名古屋市】
学部:
工(第一部)/工(第二部)
●下記はすでに終了した入試の情報です。

名古屋工業大の第一部は、センター試験:個別試験の配点比率が前期日程は450点:1000点、後期日程は300点:1000点と個別試験を重視した配点となっています。センター試験では得点率75%以上を目標とし、何よりも個別試験の得点力アップに力を入れて、学習を進めることが合格への大きなポイントだといえます。

個別試験の試験科目は、英語・数学・理科(物理、化学から1科目選択、ただし電気・機械工学科〈前期〉、情報工学科〈前期・後期〉は物理必須)です。

英語は大問5問で構成されていますが、2016年度より、すべての設問が英文で書かれているので、各設問で求められていることを正確に読み取れるようにすることが必要です。数学は全問記述式の大問4問で構成されています。数学Ⅲからの出題が多く、レベルは標準からやや難です。理科は物理、化学ともに大問3問で構成されています。標準レベルに加えてやや難のレベルの問題も出題されるので、応用力の養成も不可欠です。

京都大学
【国立大学・京都府京都市】
学部:
総合人間/文/教育/法/経済/理/医/薬/工/農
●下記はすでに終了した入試の情報です。

京大は、一般選抜では前期日程のみで募集を行っています。これに加えて、2016年度入試から特色入試(推薦、学力型AO、後期日程)が始まり、2018年度入試で全学部・学科での実施となりました。

入試問題は難問が多いですが、マニアックな問題といった悪問や奇問はなく、思考力・表現力・構想力を試す、十分に練られた良問が出題されています。

教科ごとに見ていくと、英語は英文和訳2問、和文英訳と条件英作文が各1問という出題形式がとられています。また、数学は大問で誘導形式の小問に分けない出題もあって、受験生に自由な発想で解答させるという方針が見られます。さらに、国語では解答に具体的な字数制限を設けずに自由に書かせる形式です。

このように、京大は共通一次試験導入以降、ほぼ同一の出題形式を維持し続けています。他大学に比べると、ややクセの強い出題も見受けられますが、それだけに、逆に京大に絞った対策は立てやすいといえます。

大阪大学
【国立大学・大阪府吹田市】
学部:
文/人間科学/外国語/法/経済/理/医/歯/薬/工/基礎工
●下記はすでに終了した入試の情報です。

阪大は、一般選抜では前期日程のみで募集を行っています。これに加えて、2017年度入試から「世界適塾入試」というAO入試、推薦入試を導入しました。

前期日程におけるセンター試験の配点の総合点に占める割合を見ると、外国語学部、理学部、基礎工学部はセンター試験の配点が3割以下と極端な個別試験重視ですが、他学部ではセンター試験の配点は無視できないといえます。これは、教科にとらわれない幅広い基礎学力を重視する方針を表しており、個別試験対策は当然ですが、センター試験でも高得点を目標に十分な対策が必要です。

センター試験の合格者平均得点率は、医学部医学科で90%以上、他の学部・学科では概ね75%~87%となっています。

なお、理学部では国語はセンター試験でのみ課されますが配点の比重が大きく、軽視できません。すべての教科・科目で不得意分野をなくし、バランスの良い学力を養成し、マーク模試の受験による時間配分やマークミスに注意した練習が効果的です。

大阪市立大学
【公立大学・大阪府大阪市】
学部:
商/経済/法/文/理/工/医/生活科学
●下記はすでに終了した入試の情報です。

大阪市立大は、2018年より商学部に公共経営学科が新設されますが、学部一括募集で学科決定は2年時の後期に行われます。また、工学部化学バイオ工学科〈後期〉では2段階選抜の実施予告倍率が17倍から10倍へと厳しくなります。

前期日程の個別試験は、標準レベルの問題が出題されるので、高校の授業の内容をしっかりと理解しているかどうかが問われます。

英語は例年、読解総合問題3題、和文英訳1題という構成が多くなっており、読解力の養成が重要です。国語は、文学部が現代文2題、古典1題の計3題の構成、文学部以外の学部は現代文2題のみを解くことになります。なお、現代文は、評論と随筆または小説が1題ずつ出題されます。文系数学は大問4題で、難易度は標準的です。理系数学も大問4題で、難易度は標準的ですが、数Ⅲからの出題頻度が高くなっています。

医学部医学科志望者は、典型問題を確実に解けることに加えて、毎年数問出題されるやや難易度の高い問題にも取り組めるような応用力も身につけてください。

神戸大学
【国立大学・兵庫県神戸市】
学部:
文/国際人間科学/法/経済/経営/理/医/工/農/海事科学
●下記はすでに終了した入試の情報です。

神戸大は、一般選抜では経済学部、経営学部、医学部医学科は前期日程のみの募集ですが、他の学部・学科では前期日程、後期日程ともに募集が行われます。

難関大学の後期日程廃止が相次ぐ中で、上位大学からの併願先としても狙われていることから、後期日程は例年厳しい入試となっています。歴史的に旧制神戸商業大学を起源としていることから、医学部医学科を除くと、相対的に文系の難易度が理系よりも高い傾向があります。

前期日程では、難関大としてはセンター試験の配点比率が高く、逆転が難しいため、医学部医学科以外でもセンター試験では得点率80%以上を目指したいところです。個別試験で出題される問題には難問・奇問はほとんど出題されません。そのため、1科目でも失敗すると大きな差が開いてしまい、合格が厳しくなってしまいますので注意してください。

なお、2019年度入試から新たなAO入試として、「志」特別入試を実施します。

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