そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

95-2

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可能性探し
~いつもと違う誰かと行動してみよう~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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学校であれ職場であれ、日常的に時間を一緒に過ごすひとはある程度決まっているのではないでしょうか。学校の先生や部活の顧問、家族や友人と、生活パターンが決まっていればそれに合わせて顔を合わすひとも決まってきます。それは職場であってもあまり変わりはありません。

もちろん、複数の部活をかけもちしていたり、週末は趣味の集まりを持っていたりするひともいますが、それは自然にそうなったというより、意識的に複数の場を持ち、多くのひとと出会いやすくなっているのでしょう。

先日、大学生と一日一緒に行動するプロジェクトに声がかかり、大学四年生の女性とここかしこを回りました。彼女のために機会を創るのではなく、私のスケジュールに同行するというものです。行政が主催する委員会で、これからの教育について有識者が議論をする場に。その後、行政担当者とランチをしました。そこの担当者は海外で働いていたり、別の組織から出向をしていたり、偶然ですが、非常に多様なメンバーとなりました。

次に、前田敦子さんが主演するショートムービーの公開前試写会に行き、広告代理店のひとや、若者を支援する行政、民間のひとたちとの話をしました。その後、カフェに入り一日の振り返りと、彼女のインタビューに応えました。

私自身がその日に出会ったひとたちに、初めての方も少なくありません。彼女は非常に多様な活動を大学でしていますが、それでも普段はあまり話をしないひとたちとの出会いがあったのではないかと思います。

このプロジェクトも開かれたもので、自らの可能性を探したいと考える学生が自らの意志で応募することから始まります。この一日で彼女が何か新しい可能性を見つけたということはないと思いますが、こういった行動が多くの出会いにつながり、さまざまな生き方や考え方に触れる機会になっていきます。その着実な積み重ねが可能性というものとの出会いを生むのでしょう。

いつものひとたちとの時間を大切にするとともに、時にはそこから一歩飛び出して、非日常の時間や空間、ひとびととの出会いを見つけることは非常に大切なことです。そしてそれに必要なのはちょっとした勇気ではないかと思うのです。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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