そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

104-2

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友だちの悩み
~相談に乗りづらいときの助け舟~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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前回、長野県とLINE社が行った県内中高生のためのLINE相談に寄せられた相談内容について触れました。もともとは「いじめ」や「死にたい」という声を受け止める目的で始まりましたが、ふたを開けてみると本当にさまざまな相談がありました。

恋愛や進路についてであれば、話を聞いたり、相談に乗ったりすることはできるかもしれません。しかし、家族の問題や性の悩み、そして自殺念慮(死にたいという思い)に関する相談は、どうしたらいいのか戸惑うこともあるでしょう。

ひとの悩みは濃淡があるように見えますが、自分にとっては大きな悩みにならないものでも、そのひとにとっては非常に大きく、押しつぶされそうなほどの悩みになることもあります。話の内容とともに、友だちの表情などを見て、「これはどうしたらいいのだろうか」「どんな言葉をかけていいかわからない」と、受け止めきれない相談のとき、どうしたらいいでしょうか。

少し調べてみれば、公的な機関でも、民間の企業やNPOでも、相談窓口を開いています。予約制や電話、メールなどで受け付けています。SNSで相談できることもあります。友だちのために適切な相談先がないか調べてみることは大きな助け舟になるはずです。

相談現場では、さらに踏み込むひとも来ます。自分の悩みではなく、友だちから受けた相談にどう回答していいのか悩んでいる、という相談が稀にあります。素晴らしい友情だと思いながら、友だちとしてそこまで抱えるとしんどくならないだろうかと心配にもなります。

みなさんは特定の深い悩みを受ける相談員でも、そのためのトレーニングを受けているわけでもないと思います。他者の葛藤や戸惑いを受けるには、それなりの知識や経験がないと苦しくなってしまうことがあります。

ですから、「こんな相談先があるらしいよ」という情報提供に留めて、そこに相談するかどうかは本人に任せていいのではないでしょうか。その際、一点だけ気を付けてほしいのは、よくわからない相談先や相談者を紹介しないことです。どんなに綺麗なサイトでも、どんなにすごい実績がありそうでも、真実は画面からはわかりません。もし情報提供までしようと考えるのであれば、国や自治体(都道府県市区町村)という公的機関の相談先だけにしてください。

民間のNPO法人として相談を受け付けている私が言うのもおかしいかもしれませんが、それだけ相談先を選ぶというのは難しい作業です。間違った先を紹介してしまうことは不本意だと思います。少なくとも公的機関は何かあったときの責任もしっかりとるはずですので、ここの部分は覚えておいていただけると嬉しいです。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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